第2話 第一印象は大事って古事記にも書いてた
唐突だが私の話を聞いてくれ、昨日のことをありのままに実家に話した。それを聞いた家族全員がこう言った。
「話聞く限り、危害は無さそうだし、後は任せた!」
「何が危害なしだよ!!こっちは危害おおありだ!!あの後、結局一睡も出来なかったし…最悪!!」
無事入学式を終え、現在1人で屋上にいる、なぜかって?そりゃ叫びたくなったからよ
「まぁいい、今のところ狐の姿は確認出来てないし、大丈夫そうね」
そうと分かれば後は教室に行くだけ、ホームルームも時間的に始まりそうだし行きますか。
教室に入ると複数の男女がグループになっていたり、机に伏せている人などがちらほら目に入る。
「教室内にもいなさそうね」
「みんな席に座れ!」
眼鏡を掛け、白衣を来た男の人が入ってきた。掛け声からしてこのクラスの担任ということが伺える。それにしてもあのボサボサ頭と服装どうにかならないのかしら?初日でそれは教師がしていい見た目じゃないわ。
「俺がこのクラスの担任の加賀山だ、担当教科は社会だ」
社会科で白衣着る必要あるのかしら?
「ちなみにこの白衣はオシャレだ、どうだ似合ってるだろ?」
オシャレなのね。
「さて早速だが、最初に出席を取るぞ、呼ばれたらなにか一言いうように」
無難に1年間よろしくお願いしますでいいかしら?それともインパクト残すために家が陰陽師の家系ですって言うべきかしら?
「えーと、最初はこれなんて呼ぶ…」
加賀山先生が言い終わる前に廊下の方から物凄い音が聞こえてきた、これ足音?しかも段々大きくなってきてない?
「あや…あやつち…?」
「怪士(あやかし)と呼ぶのじゃ!」
バンっという教室のドアを開けて入ってきたのはなんと昨日、私の部屋で暴れ回った妖怪、いやクソ狐だ
「怪士 洋子(あやかし ようこ)と申す、1年よろしくお願いするのじゃ!」
「てめぇぇ!!何しに来たクソ狐ぉぉぉ!!」
怒鳴り声で静まり返った教室、ポカーンとする担任とクラスメイト達、そしてクソ妖狐こと怪士 妖狐は私と数秒目が合った後
「酷いのじゃ…妾はただ自己紹介をしただけなのに」
なんと泣き出したのだ。
「えっ?アンタそんなことで泣くキャラじゃないでしょ、ってかその制服どうしたのよ!?まさか盗んできたの?」
「ヒック…妾はそんなこと…しないのじゃ:
「嘘つけ!どうせ他人から「し〜の〜の〜め〜」
あ、やばい…そういやいま出席確認中だったってこと忘れてた
「あのえーと…」
「どうやら初っ端から問題行動を起こす生徒がいると思わなかったよ」
「いやこれについてはですね…あいつがわる「言い訳無用!!早くこっちこい!!」
加賀山先生に腕を引っ張られ教室を出た瞬間、クソ妖狐が笑っているのが見えた。
あのクソ妖狐絶対ぶち殺す!!
「お前は俺が個別指導だ!覚悟しろよ」
「あぁ…さらば私の青春ライフ…」
「酷い目にあった…」
初日から問題行動ということで別室で10枚近くの反省文を書かされ、家に着いたのは午後5時前だ。
「腕が痛い…これ明日筋肉痛ね」
家の鍵を探して開けようとした瞬間、中から物音が聞こえてきた。
「いやいやまさか…」
普段ならこの時点で泥棒と思い警察に通報するのだが、今日はいつもと違いドアを開けて鞄の中に入っている、実家から持ってきた式神(まともに使役出来ない)を構えて中に入った
「クソ狐!!よくもさっきはやってくれたわね!!」
「待つのじゃ!タンマタンマなのじゃ!妾はもうお主に何もしないのじゃ!っというかもう封印されたくないから悪さはしないのじゃ!」
「嘘つけ!!どうせ油断したところでまた陥れるだろ!!」
「ほんとじゃ!!理由だけでも聞いてくれなのじゃ!!」
式神を構えたままクソ狐の近くに近づいた。
「少しでも怪しい素振りを見せたら式神だからね」
「いやー最初はお主の高校生活を台無しにしようと考えていたのじゃが、ちと不便なことがあることに気づいたのじゃよ」
「不便なこと?」
「妾住む場所がないのじゃ」
「確かに住む場所は私が粉々にしたもんね」
「お主を殺してこの家を乗っ取ろうとしたけどお主の家族が黙っていないじゃろ?」
「まぁたしかに」
「今の妾は力が無さすぎて一般人からの攻撃ですら致命傷じゃ、この状態で封印とかされてみろ?妾死ぬぞ?」
「人類的には死んだ方が有難いけどね」
「かといってこんな美少女が家なしで夜中外出歩くと襲われるじゃろ?」
鼻で笑いそうになったが堪えた、よくやった私
「だから今までのことはお互い水に流して、この部屋で共同生活を始めるのじゃ」
「いや待って!私のメリットは?私初っ端から学校で赤っ恥欠かされただけなんですけど!?」
「それはほらビンタした分じゃよ、それに明日からでも青春ライフを謳歌することができるように妾も協力する、安心しろ」
確かにこいつは力が皆無というわけじゃない、読心や制服を調達するぐらいの力がある。
「今後、私の青春ライフの邪魔をしないってならいいわ、ただし変な素振りを見せた瞬間ここから追い出すからね?」
「やったなのじゃー」
それに手元に置いといた方がこいつの行動を制限することが出来るしね。
「ところでお主、名前はなんというのじゃ?」
「朱里、東雲 朱里よ。そういえばアンタの名前聞いてなかったわね」
「妾か?妾は……うーーーん」
「もしかして無いの?」
「いや、忘れてしまったのじゃ」
「どんだけ封印されていたのよ…なら妖狐さんっていうのはどうかしら?アンタの偽名から取ったものだけど」
私は多分クソ狐って呼ぶけどね
「妖狐さん…気に入ったのじゃ!」
こう見ると年相応の女の子らしい一面があるわね。長い間封印されて力を失ったせいもあるのかしら?
「さて気に入ったところでご飯と行きますか、はいこれ」
「なんじゃこれ?」
「ドッグフードよ、キャットフードの方がよかった?」
「なっ!?妾をそこら辺のペットと一緒にするな!!やっぱりお前殺すのじゃ!!」
「食べれるだけマシだと思いなさいよ!!クソ狐!!」
「黙れ!!小童!!」
私はこいつと共同生活出来るのかしら…
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