恐怖の催眠アプリ

@HasumiChouji

恐怖の催眠アプリ

『このメールは当アプリの開発者・運営者の身の安全の為に社外のメールサーバより自動返信させていただいております。

 もし、「催眠アプリ」を使用した結果、貴方の身に危険が及ぶ心霊現象や超常現象が起きたのであれば、かなりの確率で既に手遅れです。

 そうでなければ、御手数ですが、このメールの最後に書かれているメールアドレス対してに、あらためてお問い合わせ内容を送信して下さい。

 なお、この世界には「人間のフリをした人間を超えた化物」が一定数居て、そのような化物に対して催眠アプリを使用した場合、何が起きるか判らない、と言う事は、催眠アプリの取説に書かれていた筈なので、もし、お客様が、喩えるなら催眠アプリを使った結果「邪神に対して呪いをかけて呪詛返しをされた」ような状態に有る場合は、当方では対処いたしかねます』

 催眠アプリの運営に不具合らしき現象の連絡を入れたら何故か返信が届いた。

 何故かと言うのは、俺が居るのが、どこなのかさえ不明なグチョグチョネチョネチョな人間が作ったモノには思えないのに何故か「建物」である事だけは判る「何か」の内部だからだ。どうして、こんな場所でもスマホのアンテナが立ってるのか、スマホを使ってる俺にも、さっぱり判らない。

 催眠アプリを使って、クラスメイトの女の子を「支配」しようとした次の瞬間、この謎の空間に転移してしまったのだ。

 しかし、どう云う意味だ? あの子が「人間のフリをしているだけの人間を超えた人間でないモノ」だったと云う事なのか?

「どうしろってんだよ、おい……」

 俺が泣きながらそう言った瞬間……ああ、スマホの画面から、粘液に塗れ鱗に覆われた……手が……手が……。

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