(3)
「鏡よ、鏡、鏡さん……」
女王様は鏡にそう言いました。
「ええっと……白雪姫の7人のドワーフ族のメイドの1人が、最近、白雪姫に色目を……」
「それは後日対処します」
「いや、でも、白雪姫もまんざらでは無いようで……」
「既に手は打って有るので問題有りません」
「あ……では、何でしょうか?」
「お前は、何で、鏡なのに、写りが悪いの」
「ええっと……私は魔法の鏡ですので、実用品を御希望であれば、最新のガラス鏡の方が適しているかと……」
「ところで、お前の裏の変な模様は何?」
「私が鋳造された時から有る模様なので、何だと言われても……」
「この模様と、お前の魔力は何の関係も無いの?」
「ええ、私は古い鏡に、いつの間にか魔力が宿った存在なので……」
「そもそも、お前は、いつ、どこで作られたの?」
「はい、三国時代の魏で、明帝曹叡の時代の景初3年に……」
「はぁっ? 待って、そう言えば、そもそも、お前は、何者なの?」
「邪馬台国の女王・卑弥呼への下賜品として作られた鏡ですが……」
「ちょっと待って、そもそも、何で、大昔の中国の鏡が、こんな所に有るの?」
「だって、邪馬台国が有ったのはエジプトで、私は十字軍の戦利品としてヨーロッパに……」
「そ……そんな馬鹿な……」
「いえ、でも、魏志倭人伝の内容からしますと、帯方郡をケルト、韓国を半島は半島でもイタリア半島だと解釈すると、距離と方向が、ほぼ一致……」
女王様は、よろよろと近くに有った椅子に座り込みました。
なお、この鏡さんが三角縁神獣鏡だったかについての記録は残っていません。
混ぜるな危険童話 @HasumiChouji
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