この世界の仕組み

存在現象

第1話

幾つもの世界を同時に生きられない様に

時空により隔てられている

時空が無ければひとつに成る【想い】

ひとは【想い】のなかを生き

この世界は【想い】で出来ている


時空はひとつで

時間とは空間のこと

時間が無ければ空間は無く

空間が無ければ存在は無く

存在が無ければ消滅は無く

消滅しない事を永遠と言う

永遠とは時間が無いことで

出来事が起き変化してゆく

現象世界に永遠は無い


『いのち』に乗り込み

出来事を経験してゆく【想い】は

躯体の死を迎えると

『からだ』と言う時空から解放されて

ONENESSに帰結する


ONENESSは【想い】のみなもと

ONENESSは集合的無意識

ONENESSはアカシックレコード

ONENESSは永遠の無から

時空の源になる

極小サイズの点宇宙を

トンネル効果で送り出す

高次元から現れた点宇宙は

素粒子のように無から出現した


最初はひとつ、唐突に

最初にひとつ、ゆらぎながら

最初のひとつ、母宇宙は

極小点で現れて

インフレーションで

飛躍的に一瞬で拡がって

現象世界のビッグバン宇宙を生み出した

永遠の無から現れたこの宇宙は

誕生138億年後の今も

そしてこれからも

加速して空間を拡げ続けてゆく


充分に拡がる前の初期宇宙では

限られたスペースの中に

その後展開してゆく世界の

すべてのエネルギーが叩き込まれていた

高密度で約2兆度の高温初期宇宙では

エネルギーが物質化する

《対生成》が限りなく起きて

〔物質〕と〔反物質〕がペアになって

大量に空間に溢れて出た


〔物質〕と〔反物質〕は接触すると

《対消滅》して

光やエネルギーに帰ってしまうが

《対消滅》により解放される

膨大なエネルギーが再び無数の

《対生成》を繰り返し引き起した


生成と消滅が激しくループして

光も直進出来ないほど

空間は高密度に混濁していたが

加速し広がり続ける宇宙の

空間相転移の効果により冷えて

密度とエネルギーは低下し

ビッグバンから38万年後頃には

生成と消滅の連鎖が止まった


光の直進を阻み混濁を生んでいた

プラズマ状態の電子は

[強い核力]により次第に

原子核に捉えてられて

安定した水素原子を次々と創り出し

「宇宙の晴れ上がり」の時期が来る


《対生成》と《対消滅》は

わずか10億分の1の確率で

〔物質〕側に対称性が破れていた

そのため〔反物質〕は《対消滅》の

エネルギーとなって消えてゆき

消滅を免れた片割れの〔物質〕だけが

晴れ上がり後の宇宙に

水素のガスになって残り

やがて星を形成してゆく源になる


初期の星は

重力と長い時間経過の果てに

水素が寄り集まって出来た玉で

玉は自身の重力によって

さらに大きく重く太ってゆき

中心部の密度と温度が充分に高まると

水素原子の核融合が始まり

エネルギーを放射して

光を放つ恒星になる


核融合で4個の水素原子が

ひとつのヘリウムに変わる

恒星内部での元素合成が進むと

より重い元素の窒素や酸素

炭素などが合成されてゆき

最後に重い鉄原子が生まれて

恒星のコアに蓄積されてゆく


恒星の輝きの燃料である

水素が燃え尽きると

赤色巨星に変化した後

超新星爆発を起こし崩壊して

星の一生を終える

コアに蓄積されていた重い鉄は

この時発せられる膨大な熱により

更に重い金やプラチナなどに変化して

その他数々の元素と共に

周囲の宇宙空間に爆散されるが

星くずになって星間空間に拡がっても

長い時間と重力の作用で

再び集積して塊になってゆき

新たな星が誕生する


生命の血液を紅く染める鉄分や

白い骨をつくるカルシウム

身体を形作るタンパク質や

植物繊維の素になる炭素

大気の主成分の窒素や酸素

森の樹々や鳥も昆虫も

全ての海洋生物や水や大地でさえも

すべては

遥かむかし遥か彼方の幾つもの恒星が

光り輝く核融合の元素合成により

徐々に生み出されて

今ここに在る


生きる物を含めて地球上の全ては

星屑から出来ていて

死ねば文字通り星に帰る


現象世界のなかで

出来事を経験し成長してゆく

いのちの【想い】は

死んで星に帰える時

ONENESSへ帰結し

ONENESSへ【想い】を持ち帰る

ONENESSは個々の生命が

体験を通じて成長させた【想い】を

アーカイブする『統一場』であり

『アカシャ』である

ONENESSは現象世界から観れば

実態の無い『空』で

『空』であるが為

変化してゆく出来事は無く

経験することも無く【想え】ない


ONENESSはみずからに

個々の異なる存在の

個々の異なる経験による

個々の異なる【想い】を

アーカイブする為に

この時空と宇宙を生み出した


【想い】生きる私は全体の一部で

全体は私の【想い】の一部でもある


ビッグバン宇宙はフラクタルの様式で

連鎖的に枝分かれして拡がって

無数の並行宇宙を

産み出しながら拡がってゆく

各宇宙の物理的定数は一様ではなく

それぞれ異なる状態の宇宙に

成長してゆく

あらゆる出来事と経験を網羅する為に


私達が生きるこの宇宙も

枝分かれした無数の宇宙の内のひとつ

曲率ゼロの空間を産み出す

物理的定数に偶然に恵まれて

たまたま平坦な空間が出現した宇宙に

星が生まれ約1千億の銀河を形成した


個々の銀河にはさらに1千億の

光を放つ恒星が有るとされ

恒星の周りには幾つもの

惑星が周回している


恒星までの距離が生命誕生の条件を

運良く満たしていた惑星地球には

太陽の核融合エネルギーに生かされた

約870万種の地球型生命体が溢れ

未発見の種を含めると

3千万種以上と考えられている

進化と淘汰を繰り返し

全体の一部として

3千万通りのかたちと方法で

時間と空間を生きのびる

さらに同一種であっても

同一ゲノムの個体はひとつも無い

命の途方もない多様性


ひとは3千万分の一種に過ぎないが

自我と意識を高める思考を獲得して

この世界の仕組みに【想い】到る

まるで生命出現の目的が

此処にあったかのように


空間が在り現象が起こるこの世界では

全ての事象には対極が在る

生と死 陰と陽 善と悪 光と闇

過去と未来 始めと終わり

現象世界の全ての〔物質〕は

《対生成》による出現の時点から

〔反物質〕とのペアであり

対極はこの世界の必然となる


生物種と命が示す驚くべき多様性

夜空に輝く1千億の銀河

個々の銀河の中の1千億の恒星

恒星を取り巻く何千億の惑星

フラクタル様式で分岐して

増え拡がり続ける無数の並行宇宙

これらの対極

たった一つの『空』

ONENESS

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この世界の仕組み 存在現象 @sonzaigensyou

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