大丈夫、じゃない。
「大丈夫だよ」
「死んじゃダメだよ」
「生きて」
そんなの、聞き飽きた。
人生イージーモードだよ、理不尽だ。
何で私だけ?
周りの子みたいになりたかった。
周りの子と同じように。
もう死んじゃいたい。
そんな言葉をこぼした私に君は言った。
あれは確か、9月頃だったかな。
「じゃあさ、明日一緒に死のうよ」
違うよ、そうじゃない。
私だけいなくなればいいじゃんか。
それで全部いいじゃん。
「僕の人生だもん。僕が決めていいはずだよ」
ね、と笑う君に私は絶句した。
何も言えなかった。
「じゃあ君は何で死のうと思ったの」
わかんないよ、そんなの。
なんか生きるの面倒くさくなっちゃって。
私が私でいることに疲れちゃっただけだよ。
「疲れたってことは、それだけ頑張った証拠。
たまには頑張らなくてもいいんだよ。
辛かったら立ち止まればいい。
我慢するのが面倒くさくなったら
好きなだけ叫べばいい。泣けばいい」
そんな綺麗ごと、聞き飽きたんだってば。
それでも涙が出てきて止まらないのは、何でだろうね?
あの日の会話 葉月林檎 @satouringo
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