シンデレラをモチーフとした甘酸っぱい恋愛物語。
心躍る情景情緒が織りなす物語は、童話のように読者を惹き込みます。気が付けば、あら不思議。もう十二時。ゴ~ン、ゴ~ンと時計台の鐘の音まで聞こえてくるよう。
童話ではガラスの靴を拾いましたが、現代となると……意外なものを拾ったりします。
作中は、現代の横浜が舞台。そこで成される恋愛もまた現代風。
物語の描写もさることながら、男女間の立場の違いも面白い発想。それに加え、作者様の横浜に対する愛着もよく伝わる物語に仕上がっています。
是非、皆様もご一読ください。気が付けば、何時の間にか読者は物語の虜になっています。
まずは冒頭、タイトルどおり、横浜の街を描写した文章がとても素敵なのだ。ヒロインのかわいらしさの描写も実に秀逸。ここから始まる恋模様に、否が応でも期待が高まってしまう。
さぁ、そんなヒロインではあるが、性格に少しばかり(?)難があるのだ。人あたりが厳しく、ついつい孤立してしまいがち。
ほのかに想いを寄せる彼にさえこの態度。世の男性はかわいげがないと言うかもしれません。
このヒロインが纏うベール。その魔法が解ける瞬間は訪れるのか……?
彼の本気を知ったヒロインは……? 彼も、優しく見護るだけじゃダメなんだ!
ふたりとも、言葉にしなけりゃ伝わらない!
乗り越えたふたりが、また素敵なのだ……。