あわてんぼうのポリキヤース

薄紫色の光の粒に戻ったポリキヤースが、雲の上から母のことを見ていました。



-ポリキヤースや、寿命10歳は早すぎたかい?-


神が問いかけました。


ポリキヤースは首を振ります。


-いいえ、ちっとも!

素晴らしい人生でした!

私は今回とってもたくさんの学びがありました。

今まで何度も生まれ変わったけど、私はいつだって孤独でした。

何度生まれても心の底の底からは人間が好きになれなかったのです。

しかし、今回の人生で私は初めて人間が好きになれました。

母の愛を全身で感じました。

私も全身で母を愛しました。

友達もできました。

素晴らしい経験でした。-



ポリキヤースは満足そうに言いました。


-それは良かった。-


神もポリキヤースの隣でとても満足そうに微笑んでいます。


-ポリキヤース、まだあの者達を眺めておくかね?

それとも天へ帰るか、はたまた、また転生するか。-


神の問いかけにポリキヤースは少しだけ考えてから答えました。


-考えさせてください-



あわてんぼうのポリキヤースにしては珍しい答えだったので神は少しだけ驚いたけれど、ポリキヤースの好きにさせてくれました。



ポリキヤースがみんなを眺めていると、ふと、隣の魂が気になりました。


テルティーナと同じ色を感じたのです。


-きみ、もしかしてテルティーナの…-


すると、隣の魂は言いました。


-ええ!ええそうよ!

お姉ちゃんに私の言いたかったこと伝えてくれてありがとう!

だけどあれじゃあキツすぎるわよ

もっと優しく言って欲しかったわ!

お姉ちゃんがかわいそうじゃないの!!-


テルティーナの妹はポリキヤースの周りをくるくる飛びまわりながら言いました。


ポリキヤースが素直に謝ると、今度は嬉しそうに言うのです。


-ねえ!ねえ!

あなたもお姉ちゃんがここへ来るまで一緒に待たない?

私ね、お姉ちゃんとヤクターが結婚して欲しいなって思ってるのよー!-


まるでテレビドラマでも見てるみたいにテルティーナの妹は楽しそうに姉や仲間達を眺めているのです。


ポリキヤースも、そうなったらたしかに嬉しいかもしれないなと思いながら下界を見下ろしました。



そしてあることをひらめきました



-神様!

次は天へは行きません。

天使になって母を手助けします!

そうすれば、テルティーナとヤクターの手伝いもできるから!-



ポリキヤースがそうはっきりと宣言すると、神の返事も待たずに、ポリキヤースはぴゅうんと雲の下の母の元へと飛び降りて行ったのです。



-え!え!ずるーい!!

私はまだ天使になることは許されてないんだからー!!-


テルティーナの妹がぷんぷん怒りました。




傍で見ていた神はまた声を上げて笑いました。



-あわてんぼうのポリキヤース


愛しい愛しい私の一部-

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ポリキヤース Dowzy.B.V.Mari @maruporiki

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