突然の別れ
ポリキヤースが死んでしまったのは、それからすぐのことでした。
山へ遊びに行って、何日も帰りませんでした。
みんなは昼夜を問わず懸命に探しました。
そして、ある日獣の巣の中でポリキヤースの着ていた服が発見されました。
みんなで泣きました。
何日も。何日も。
更に何日も何日も泣いたあと、ポリキヤースの母は言いました。
「さあ泣くのはもうおしまいにしましょう!
今頃ポリキヤースはこちらを見ながらきっとプンプン怒っているわ。
いつまでも泣いていちゃダメじゃないかってね。」
ヤクターの父が木を彫って作ってくれた美しい額縁の中にヤクターが描いたポリキヤースの肖像画が入っています。
母は額縁の中のポリキヤースに向かって言いました。
「ポリキヤース、私の元へ生まれてきてくれて、本当にありがとう。あなたのおかげで私は幸せよ。
今も、これから先もずっと。
ポリキヤースのお母さんになれて幸せをたくさんもらったの。
ありがとう。
いつかまた会える日を楽しみにしているわ。」
母は美しい額縁ごとポリキヤースの肖像画を胸に抱いて、悲しみではない温かい涙をずっとずっと流していました。
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