第2話 役場 (この世界について)

村の前まで来ると門番が立っていた。

俺はこの世界に他の人がいるのかと思ったが、AIだと推測した。


「おい、とまれ」


俺たちは、村に入ろうとしたところで、門番に止められた。不審な者を入れないための門番だから、当たり前だろう。


「お前ら、見たことがない顔だなぁ」

「今この世界に来たばっかなんだ」

「なるほど、よし入れ」

「ありがとうございます」


思ったよりもガードが弱い気がしたが、すんなり入れたので、良かった。美海はもう疲れていて何も発せられない様子だった。


「お前ら、まず役場に行け、そしてこの世界について学んでこい」

「この世界を攻略していく、手順みたいな物も教えてくれるのですか?」

「あぁ、多分な」


とりあえず助かった。何も知らないままこの世界を攻略してくのには、ものすごい時間がかかるからな。


「美海大丈夫か?」

「うっさい」


俺は役場に行く途中、美海に声をかけたが相変わらず機嫌が悪い。

役場は門番の話によると村の中心にあると言っていた。

村にはそれなりの人がいた。中には犬や猫もいるようだ。


ちょっと歩くと役場が見えてきた。中に入るとカウンターに一人の女性が座っていた。中を椅子とカウンターくらいしかないみたいだ。


「こんにちは」

「こんにちは、冒険者の方々」

「あのー、この世界について聞いてこいと門番の方に言われたのですが」

「はい、分かってますよ」


と言ってその女性はこの世界のマップみたいなものを見せてきた。


「まず、今いる村がここです」


と言ってマップの1番下を指した。


「そしてここが第一層のボス前の村ですね」


と言ってマップの1番上を指した。


「ボス?それを倒したら、攻略成功なのですか?」

「ここはまだ一層、次の層については次で聞いてください」

「はぁ?何日かかんのこれ?」


美海がキレ気味というかもうキレてらっしゃる。


「あと、このフィールドは一応草原ステージとなっております」

「草原?ということは次の層では違うんですか?」

「はい、あとボスの前の村まで三日以上はかかるので、野宿は必要不可欠です」

「野宿?!無理なんだけど、風呂使えないんでしょ?マジ最悪やん。しかも三日も歩くの?ガチでだるいわー」


俺も大体は美海と同じことを思っていた。


「しかもこんなやつとかよ」

「それはこっちのセリフだ」

「別行動でいい?悠人先行って全部倒してきてよ!」

「美海が行けばいいじゃん」

「女子にやらせる気?マジださいわ」


美海といると喧嘩にしかならない。だったら一人で行ってクリアしてくるわ。

さっさと攻略したいし。


「一応申し上げておきますけど、ボスのいるところには、二人いないと入れないようになってますので」

「はぁ?」


つまり、二人でやって行くしかないのだ。


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元カノと異世界転生してしまいました 千石スネイク @sengokunadeko

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