元カノと異世界転生してしまいました

千石スネイク

第1話 ここはどこですか? 一層目

ん...俺は目が覚める。

辺りを見渡す。ここはどこですか?全く見覚えのない草原が広がっていた。どうなってるんだ。


俺は 中井 悠人 (なかい ゆうと)

高校2年生、部活はサッカー部に所属していた。


俺は隣にいる人の存在に気づいた。


「おい、起きろ」

「うーーん」


聞き覚えのある声、そして彼女がこちらに顔を向ける。見覚えのある顔だった。彼女は目を開け、もう一回閉じると思ったら、パッと開いて起き上がった。


「私、襲われたの?警察に電話しなきゃ」

「おい待て」

「何よ?ってあんた悠人じゃん」


「お前、まさか浅野 美海(あさの みみ)か」


「なんで、あんたがいるのよ?まずここどこよ?私を誘拐したの?!そんなに未練があったの?!」

「おいおい、誰がお前なんて誘拐するかよ!俺だってここがどこだかわかんねーんだよ!」


そう、俺たちは半年前に別れた元カップル、恋仲関係だった。しかも、こんな形で再会するとは、思わなかった。ガチでここどこだよ?


「私明日学校あるんですけどー」


すごい怒っていらっしゃるようだ。


「俺もだし」


俺たちの仲は最悪だ。磁石のS極同士並に最悪だ。お互いがお互いのことを嫌っている。俺たちは1年前に交際を始めた。そしてお互いがお互いのことをうざい、だるいなど感じ始め、自然と破局した。

周りからは、いっつも仲悪いイメージしかないようなカップルだった。どっか行ってもどっちかが雰囲気をぶち壊す。史上最悪なカップル。今もなぜ付き合い始めたのか、疑問しか感じない。


そんな二人が今出会ってしまった..見知らぬ地で


「私帰る」

「どこにだよ?」

「うっさい」


そんな中空から、不思議な声が聞こえる。


「にひひひひ」


不吉な笑い声


「あんた気持ち悪い」

「俺じゃねーよ」


「お二人さん、ご機嫌よう」

「誰よ?」


俺たちは辺りを見渡す。誰もいないし、何もない。


「おやおや、私の姿は見えませんよ。私のスキルですから」

「お前誰だよ」

「なんて口が悪いんだ」


当たり前だろ。元カノと意味わからんところにいるんだから。


「私は、この世界の神と呼ばれしもの」

「は?神?きっしょいんだけど。マジ」

「お二人さん口悪すぎ!」

「「うっせーよばか」」


二人の声が重なる。お互いの目が合う。

そして発せられる罵倒。


「見るなよ」

「はぁーお前もだろ」


何かあるたびに言い合う。付き合ってた時と変わらない。


「流石元カップル同士、貴方達を選んだ甲斐がありました」


まるで俺たちのことを、知ってるような口ぶり。


「ここはどこなんだよ?」

「貴方達に分かりやすく言うと異世界」

「はぁー?早く元の世界に戻せよ?」


美海の怒りは絶頂をむかえている。俺は本などで異世界物とかを見てきたので、薄々気づいていた。だから、そんなには驚きはしなかった。


「無理だよ」

「え?どうゆうこと?」

「貴方達にはこの世界を攻略してもらう」

「「え?」」


また二人の声が重なる。この世界を攻略?ゲームみたいな物なのか?


「攻略、まず貴方達がいるのは、一層、草原のステージだ」

「一層?草原?と言うことは他にも層があるのか?」

「ああぁ、そうだ。物分かりが良くてよろしい」

「つまりこの世界を攻略しないと元の世界に戻れ無いということだな?」

「そうだ。さぁー見せて貰おう、貴方達の絆、力」


と言って声の主はいなくなった。元々見えなかったので、その気配が消えたって言った方が確かだ。

さてとこれからどうすればいいのだ。


ゲームとかなら説明書とかあるはずなのにこの世界にはなんもないみたいだ。まるで何もかも自由でやっていいと言うことなのか...


「わけわかんない」

「仕方ねーだろ。こうなってしまった以上」


美海の方は理解するのに時間がかかりそうだ。それはそうだ。いきなりこの世界を攻略せよとか言われても、わけわかんねーよな。

まず何をすればいいのだ。少しだけヒントが欲しい。周りに草原しかない。空には太陽のみ。何か柱とか有れば分かりやすいのに。


「おーい、神なんかヒントねーの?どうすることもできないんだけど」


反応がない。美海も動かない。すると空から紙切れが落ちてきた。なになに


(太陽が沈む方向に村ありけり)


村?村があんのかよ!


「おい、美海これ見てくれ。村があるんだってよ」

「だから何よ!」


これは落ち着くまで、しばらく時間がかかるみたいだ。


「行くぞ美海」

「私に指図しないで!」

「は?こうゆう時に協力ってもんが大事だろ」


美海は全く協力する気がない。


「知らねーぞ、変なモンスター出てきても」


少し美海の身体が震えた。確か付き合ってた頃の記憶によると美海はモンスターやお化けが嫌いだ。


「分かったよ。ついていくよ」

「ありがとう」

「これでいい気になってんじゃないわよ」


全く可愛くねーな。俺たちは太陽が沈む方向、つまり西の方角へ歩き始めた。辺りの景色は全くってほど変わらない。たまに湖か森が見えるぐらいだ。美海はしっかりと俺の後ろについてきてる。どうやら、1人になるのがよっぽど嫌いみたいだ。


1時間くらい歩くとようやく村が見えてきた。途中、美海が


「道あってんの?」とか 「まだー」


とか不機嫌なご様子だった。1時間も景色が変わらなければ普通そうなるよな。


村が見えると俺は一安心。美海の顔にも笑顔が少し戻ったようだ。


読んで頂きありがとうございます

異世界系書いたことないので、文がめちゃくちゃかもしれませんが、これからもよろしくお願いします


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