〜2話目〜 急接近
あれから数日が経ったが、高嶺さんは何故か俺にばかり話しかけてくる。迷惑とかそんなんじゃないけど、俺みたいな冴えないやつに話しかけても楽しくないだろうに。
「あのー、高嶺さん…?」
「はい、なんですか?」
「窮屈なんですけど……」
「わっ、これは失礼。申し訳ありません」
高嶺さんは、先程までベッタリくっついていたが、流石に窮屈と思ったのか、急いで身を引いた。
「すみません…私、佐藤さんしか仲のいい方がいらっしゃいませんの…」
高嶺さんは少ししょんぼりとした様子で、ぽつりぽつりと話し始めた。
「私、前の学校ではあまり友達が出来ませんでした…理由は、私がお金持ちだから。だから、近づき難い、と言われたんですの」
それから高嶺さんは、前の学校の話を淡々と話進めた。
「それで、私と対等な立場で接してくださる方は、佐藤さんしかいませんでしたの…その、もしよろしければなのですが…」
「私と、お友達になっていただけませんか?!」
物凄い勢いで俺にそう聞く高嶺さんは、本当に必死で、健気だった。
それに、もちろん断る理由などない。なんなら俺は勝手に友達だと思っていた。
「も、もちろん。もう友達だよ?」
俺がそう言うと、よほど嬉しかったのか、高嶺さんは思わず俺に抱きつきそうになったのを自制した。
そんな姿も可愛いな、なんて思ったり。ね。
高嶺さんはお姫様!? 黒崎ぁずま @azumamu39
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