第8話 鋭心(とごころ)
光りだす、水たまり。映し出す雲は散り、雨が上がると鳥の声。
追い抜き、後を追う子ども、飛び散るのは、こころみず。とりどりに咲く、傘が消える、そのリズム、その音。
子どもならではの芸当か、上手に道を走っていく。そんなことも年を取るとなかなか難しくなる。関節の油が減ると聞くが、そんなことなのか、動きが悪くなるとともに痛みまで出てくるものだ。
しかし梅雨の
曇り空に雨でなければ傘の花は咲かない。それが実際、傘だったか花だったかは心にでも聞け。色であったことに間違いはない。消えていく傘にかわって薄い青い明かりが次々にともり濃さを増す。用無しの色は、下って地べたに置かれ、日に干されるのだろう。そしてときどき忘れられるのだ。
追い越していった子どもらの歓声が、姿とともに小さくなる。彼らを捉えるはずだった私の感性が、年を取ると在らぬ
体と一緒に、心も常に一瞬も止まらず流れ続けているもので、波形によってはわずかな変化で、激痛が走りもするし歓喜に跳ねることもある。年を
心を鋭くし、橋でもないのに叩きながら、自分で選んだ道にあらずも、道を確かめ、強打しても壊れてくれないこの道をまた、歩く。そうしなければ着くべき所に足跡を
穴にばかり気を配っていると、草むらに気が抜けるもので、道の脇には
鋭く
(一旦、了)
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あじさいのオマージュ しお部 @nishio240
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