行きたくない

グレーテルが下がりこちら側に歩みくる。

私は問いただす。

「………ねぇ、あれは本当なの?

本当に治らないの……?」


「アリスなの?

…………そうだよ

色々やっても無駄だったんだ」


「なんで……そんな嘘ついたの?

私は、家族じゃないの?」


「…………家族だと隠し事しちゃいけないの?」


「っっっ!!」


それからは黙っていた。

なんだか

とてつもなく距離ができてしまったように感じた。


いつの間にか、カーレンの番となっていた。

最後の質問でカーレンは一緒に来てくれるかと思ってた。

___そう信じたかった


「私は行きたくありません」


何故だという問にカーレンは。


「だって、私以上に優秀な人材が他に居ますか!?

歴代の姫の中でも1位になり!

毎回テストではトップを取り続けてる!!

そんな私を敵軍に送り込むなど愚の骨頂ですわ」


醜く笑い見たことも無いカーレンの姿はこの上なく惨めで、

何より恐ろしかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

静かな部屋で 乙葉 琴音 @kotomi510309

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ