起2

私達の国は、

他国に比べれば、

小さい方だがそれなりの戦力もある国だ。

国王は、戦争が好きだ。

とは言っても見てる方だが。


そして、何よりこの国の特徴は、

一夫多妻制で男女差別が酷いところだ。

王の子の中で、女子は私含め17人、男子は3人。

女子は、

国王を拝むことなく結婚することが多いのだ。


だからこそ、私達姉妹が

何故、呼び出されたかが検討もつかなかった。

王座の間に着くと既に14人の姉妹達がいた。


王が来て、椅子に座ると

口を開いた。

「今日皆を呼んだのは、

悪魔との戦争についてだ」

皆がざわめく。

それは、兄様や弟様がする内容だからである。


王は続ける。

「我々は、白旗をあげた。

そして、悪魔の要求で王族の中から何人か、あちらに行ってもらう

1列になれ、質問をする」


皆が、ざわめき、涙するものもいる。

私は4番目、グレーテルは5番目、

カーレンは一番最後だ。


質問は3つ。

この国の歴史だったり、好み、最後は必ず行きたいかどうか。

前の列の子達の答えに曖昧に「ほぉ」と答えていた。

そうこうしてる間に、私の番になった。

私は、次々と答えた。

最後の質問で私は。

「行きます!!」

そう答えた。

なぜだ?怖くないのか?

という問いに、私は……

「……確かに怖いです。

しかし、もし、私の命で他の皆が助かるのなら、

喜んで行きます」

「そうか……」

そう言われ、下がれと言われた。

グレーテルも私と同じらしく、行くと答えた。

しかし、衝撃的なことを言った。

「……このまま一生目が見えない、

わたくしがいてもダメでしょうし、

どうせ死ぬなら役に立ってから死にたいですわ」


"治る"と言っていた。

目が"治らない"ということだった

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