尊大でクズ野郎だけど、実は……

 この作品を読み始めて最初に思ったことは、「うわっこの主人公マジでクズだな!」でした。しかし、先を読んでみるとなかなかどうして面白い。
 尊大だけど実力があって、懐に入れた仲間や同級生には案外優しいところもある。結構人望もあって、周りからはクズだけど結構いいやつ、なんて思われるようになる。そんな主人公が、金獅子の魔術師として命を賭けて魔族と戦う理由。そして、彼を取り巻く陰謀や失われた過去がだんだんと明らかになって、物語はどんどんシリアスで深い方向へ進んでいく。
 主人公はこのまま破滅してしまうのか、それとも彼を思う人々の絆が勝つのか?どんどん目の離せない展開になっていて、破天荒主人公系のファンタジーラノベがお好みならぜひ読んでほしい作品。