神様なんて存在しない
仲仁へび(旧:離久)
01
私は神の実在を信じない。
絶対の正義と善であり、人間の悪行も善行も見つめている全能の存在。
困難と苦難を与えるものの、それを乗り越えた者には、慈悲と慈愛を与え、人々を助けている。
本当ならばなんてすばらしい。
きっと、いるのなら多くの人が幸せになっているだろう。
けれど、私は思う。
神様なんて存在しない。
世界では多くの人が不幸になっているし、死ななくていい人が死に続けている。
努力すれば夢がかなう、報われる?
嘘だ。
諦めなければ道が開ける。何とかなる?
冗談でしょ。
本当に信じてるの?
そんなのたったのごく一部でしかないよ。
表に出ている成功者の言葉は、みんな戯言。
その下に、何千・何万もの人達がいて。努力しても、諦めなかったとしても悲惨な目に遭っている人間がいるのに。
本当に神様がいるなら、必要な努力をした人には、それに見合う幸せを与えてくれるはずでしょ。
でも、そうじゃない。
世界のどこかには、今も理不尽に奪われる幸せがあって。
誰かが失敗して、行き止まりに行き当たって、ひきかえせなくなって、希望を失って、諦めている。
だから私は、神様なんて存在みとめない。
もし仮にもそんな存在がいて、私達に手を差し伸べていないよりは、最初からいなかった方が救いがまだあるじゃない。
逆説的に、こんな世界に神様さえいれば、私達でも救われるかもしれない、ってまだそう思えるんだから。
神様なんて存在しない 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます