ある美少女の恋()
みくりや
とある美少女の恋()
私には好きな人がいる。
高校に入って新学期の頃から現在の高校二年に至るまで、ずっと片思いだ。
彼は優しいスマイルと、アマイマスクで魅了で多くの人を魅了する。
人当たりも良くて、男女問わず人気者だ。それに生徒会にも入っていて成績優秀スポーツ万能。
まさに完璧なイケメンだ。とってもカッコいい。
一方私も容姿端麗と噂されて、もてはやされているのは自覚していた。
クラスのみんなは私のことを慕ってくれるし、可愛いなんて言ってくれる人も何人かいたから、それなりなのだろう。
でも私には勇気がなくて彼を見ているだけで十分だった。
とにかく今は彼をずっと見ていたい。
・・・そうずっと。
彼は授業中はとにかく当てられやすい。先生方からの信頼が厚いのだろう。
隣の席の子が当てられて、慌てていたら助ける。
先週の中間テストなんて満点で学年1位だった。本当にすごい。
生徒会では彼は庶務をしている。要は雑用なのだけれど、ほぼ全部の業務をこなして生徒会長からも信頼されている。
最後は部の見回りまでして、各部の部長にも慕われていた。
下校は結構遅くなったようだけど、寄り道もせずに・・・あれ?
寄り道してる?あれマックに入って行った。まぁ後をつけよう。
しばらくは動かないだろうから、私は見える位置に座って彼との出会いを思い耽る。
あれは中学一年の頃。
新学期で遅刻しそうになっていると、彼が正門で待っていた。
生徒会の立ち番なのだろう。
「ちょっと遅刻だけど、みのがしてあげるよ」
そういって私の肩に乗っている桜の花びらを払った。
その瞬間私はこの彼に恋をしたのだ。
ドキドキと胸の鐘が鳴り響いた。
それからというもの、彼をずっと目で追っている。
1年の頃はまだクラスも違ったけど、成績優秀で生徒会から勧誘されていたから有名だった。
2年に入り、同じクラスになってさらにずっと見つめるようになった。
胸がドキドキして苦しくて、息苦しくなる。
っと、彼は席を立つようだ。勉強でもしていたのかな?それとも気晴らし?
まさか・・・待ち合わせじゃないよね?
・・・駅前のロータリーに座ってる。
何をしているのか私は理解できなかった。派手な女性らしき人が通りがかったのが気になったが関係ないようだ。
しばらくして用事は済んだようだ。特に気になる点はなかった。
そうそしてお待ちかね!今日の目的でもある、彼のお宅拝見です!
そ、そそそそそうです!最近は個人情報が厳しいので直接後を追って、彼の自宅を突き止めようという寸法。
まだ歩いていくようで、結構遠い。
まぁあれだけさわやかイケメンだもの、さぞかしいい暮らししているんでしょうね!大豪邸で塀が高い家だったらどうしよう?そんな家だったら彼の私生活を覗くのは至難の業になってしまう。できれば普通の住宅レベルのほうが私としてはありがたいのだ。
え?これ?やっぱり塀の高い超豪邸じゃない!?
とおもったら・・・あれ?なんか門を素通りしていってしまった。ど、どうやら隣のアパートのようだ。
べ、別に金持ちじゃないほうが、つき合いやすいしいいよね!それにあれなら私生活を覗けるし!!!ひゃっはっ!!
とりあえず窓から見えるポイントを探して、今日は帰りましょう。
お、あの対面のマンションのベランダから望遠で見えそうです。
ようし、04x-xxxx-xxxxっとマンションに書かれている不動産会社へ電話した。
「あ〇〇不動産ですか?ここの502の部屋買うわ!」
『へ、へ?』
「契約書は〇〇家へよろしく、明日から入るから」
『は?〇〇様ってあの〇〇様ですか?かかかかっかかしこまりました!!!!!』
これでOKね。明日が楽しみ!
次の日は体育があった。これはチャンスだ!
私は満を持して男子更衣室へ忍び込んだ・・・。いつかやろうと思ってたけど勇気がなかったのよねぇ。
でも期は熟した!レ〇ィーパー〇ェクトリィよ!
と、い、う、こ、とで~~!潜入開始!
そろ~りそろ~り。彼のロッカーはこれね!
私はロッカーを探った。鍵はかかって無かったから取り放題ね!
中には彼の・・・彼の!!!!これは!!!ぬぎたてYシャツ!!!!ゲットだぜぇ!!!!
ん~~~くんかくんか。
彼のにほいがする~ぅん。
くんかくんか~あー幸せ!!!!よっし事前に用意した新品のサイズを合わせたYシャツをセットして、この使用済みYシャツは私がいただきます。
そう!これは彼に清潔なものをいつでも着せてあげたいという、私の|おやごころ(・・・・・)!!!!!
さ~ぁ!そうやって常に清潔さを保つがいいわ!!!!
そして私はこれを食すのであった。ぬふふ。
今日は良いものがゲットできて私は機嫌がいい。
良い気分で今日も放課後は彼を追いかける。
今日もマックにでもよるのかしら?・・・あ、あれ?
なにか、怪しい店の前で行ったり来たりしている?
彼は派手な電飾のついたお店の前でうろうろしていた。しばらくしたら勇気が出なかったのか、去って行った。
何の店か確認しようと思ったけど、電飾はあるし英語で店名は書かれているけど、何の店かわからなかった。
彼が行ってしまうから、今は彼を優先させよう。
彼の家につくと、部屋に電気がついた。よーし私はあのマンションの部屋で長期戦だ!
コンビニで戦利品を買い、部屋に着くと、長期戦体制で望遠鏡を使い覗いてる。
えーと、彼の部屋はっと・・・。
良しばっちりね彼の顔が見えた!ふふ~ん私って完璧!どれどれ何をしているかなぁ~?ひひひひひ。
ん?何か雑誌を読んでる?・・・女性のは、裸の写真?うわーもしかして男の子の事情を覗いちゃってる?
でもでも~どうしよ~みちゃおうかな~?
そ、そうこれは確認!かれのモノが私にふさわしいか!!!!・・・じゃなくって、彼の趣味がノーマルかどうか!!!!
ふむふむ~どれどれ~~?
ん”・・・ちょっと、彼はアレを始めちゃったわよ?ええ~~~?夕方からするものなの男子って?
ん~~~?それにぃ・・・なんだろ・・・ちいさいゾウさん?ぽーくびっつ?
おっとこれ以上はいけない・・・。
私は彼に期待しすぎていたようだ。そう誰にでも欠点はあるよわね?
今日はこの辺にして、帰りましょうかね!
そう私は何も見てない!!!
次の日、今日は水泳の授業がある。今日も一大イベントだっ!!!!
彼のしなやかな肉体をこのレンズに納めるのだぁ・・・!だぁ・・・!だぁ・・・!
私は水泳の授業を「生理だから見学しまっす!」と元気いっぱいに答えて、いまは隠し撮りしてまっす!
うひひひひひひ、ん~~~いい身体!!!でもあの水着をみて、昨日のアレを思い出してしまう。
ん”ん”!ま、まぁ・・・ふふふ・・・これはいいネタができたわ!!
え?なんのネタ?わかるでしょ?
私は最高の気分で今日の学校を終えた。
このままの気分で下校も追いかけているが・・・。
今日も駅前で待ち合わせ?この前は何やってるかわからなかったけど、今日こそは・・・。
とおもったら・・・え?
派手なボディコングラサンの女が表れた・・・え?昭和?あのTVで有名ダンス部がやってたボディコンスーツだ。
あのモビルスーツみたいな出っ張った肩なんてまさにそれだ。
えーと・・・年齢的にもう50代ぐらいじゃない?
え!?しかもキス?キスしてる?あのおばちゃんと?えええ~~~~・・・?
なんか急激にトーンが落ちた。まだ追いかけるか悩んだけど、ちょっとついていってみよう・・・。
!!!!!え?えっと?ラブ〇テル?うっそ???これはない!!!ないわ~~~~~!!!!
もう今日は帰ろう・・・。
ええ~?クラスNo1というか学校No1のさわやか生徒会イケメンがぁ?おばちゃんとホテルに?ありえんてぃ・・・。
もしかしてお金で身体を売ってるんじゃ?ええええ?逆援〇交際????
高尚すぎて私には理解できない世界だった・・・。
そして・・・次の日も・・・次の日も・・・彼は熟女を追い求めた。
これ絶対お金じゃないよね?趣味だよね?
・・・
・・・
・・・
私はそっと、彼からパクッたYシャツをゴミ箱に捨てた。
ある美少女の恋() みくりや @hydrogenoxy
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