作品に評価いただいたご縁でこの物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。
主人公の彼女は現実世界でいじめ等の悲惨な目に遭っていたところで、クラスごと異世界召喚に巻き込まれるところから物語は始まります。世界を救って欲しいとお願いされるも、彼女のステータスは最底辺のもの。友達が欲しいという些細な願いすら叶えられないまま、彼女は追放されることになります。
元の世界でも異世界でも辛い境遇にさらされてしまう彼女でしたが、やってきた異世界では彼女を暖かく迎えてくれる方々もいました。その一方で、クラスメイト達の中にも彼女を気にかける者や、目の敵にする者をいます。そして王国の真の目的とは……と、今後の展開が期待されます。
基本的に一人称で進んでいくこの物語は、それぞれの登場人物の心情描写が丁寧であるため、キャラクターに対する思い入れを持ちながら読むことができます。それは主人公の彼女もそうですし、他の視点になった時の脇役たちの思いを覗くと、彼らの思わぬ一面を見ることもできます。
展開が陰謀めいてきているこの物語。続きが非常に楽しみです。
他の皆さまも是非読んでみてください。
地獄の様な生活の中、めげずに耐え抜き、自身の愚直なまでの信念に従って行動する主人公。
他人には優しくあるべきと言う基本的な倫理観を保ちつつ、反して自分自身の事については半ば諦めて居て、延々と生きて来なければならなかった女の子が、新たな世界で温かみを知って行く。
過度なストレスを与えられ続けて、それが慢性化して居る為、他人との軽い接触でも漏らしてしまう描写が見受けられるが、徐々に強く逞しくなって行く模様。
ふひひ、と言う独特な笑い方は、実際は平気では無いけれど、沁み着いた反射的な癖の様で、自分の様な存在に優しく接してくれる他人に対して気遣って居るのだと解ると、例え強がりであっても強く在りたいと願う彼女そのものを表して居るのだろう。
彼女がこの先どう成長して行くのかが、大変楽しみである。