10話妹が弟になって現れましたが酒瓶投げるのは反則

次の日、なんで気絶していたのか分からなかった

理由はともかく、だ。この黒い細身の男性は誰なんだ?


俺のの視線の先には…こちらをジロっと睨む男性一人、無愛想顔である。

もちろん、ここはこよなく愛する貴方のためにある…女神マートの店内のレジカウンター前である。


「…リリナ」

「ん?」

「なにか怒らせたの?」

「さぁ…私が言うにはあの暴露が起爆剤になったんじゃないかと思うけど」

「は? アレが起爆剤なら…男性あいつは俺の妹だというのか !?」



男性は軽く咳払いして、俺を睨んだ。

いや? 俺なんか悪いことした!? って思いたくなる。



「一応、妹だけど? てゆうかなんで兄貴が可愛いロリキャラに転生してんの…? 理不尽過ぎない?」



俺はリリナを眺めたまま言う

因みにレジカウンターに鉄製の三百六十度回転できる椅子が三つ置かれてる

居酒屋バーじゃないんだけど、あった方が得策とかリリナは思ってるらしい、が。

なんかだかなぁ、スナックバーみたいだな。



「まぁ、お前に股は要らなかったってごどっ――!?」


後頭部から酒瓶が飛び俺の頭でガッシャン! っと壊れた。強い衝撃である。

やべぇよ、脳が震えちゃうよこれ!?

大丈夫? 俺の頭ある? ちゃんとある?っと言わんばかりに後頭部をさする。

追撃ビン喰らい、俺は前屈みになりレジカウンターの上に頬を付けた。



「仮にも女の子だったのよ私。デリカシーないのは相変わらずね」

「だ、誰だ…マジで…」

「さーけービーン―とーんーだー」

「ぎやぁぁぁぁぁぁ――――!!」



リリナは三回ダウンした俺の体を揺する。

俺はカウンターの木の板に頬をつけながら言う。



「リリナさん、誰ですかあれ? 凶暴なゴリラに酒瓶与えちゃダメでしょ…」

「私は知らないけど? そもそも店内に酒瓶とか、居酒屋ですかコノヤロー」

「いやそれの言いたいのは俺だよ!?」

「まぁ、私の女神にいた時の書類には、なかったわよ」

「え? 誰の名前それ…」

「あなたの妹」

「はぁぁぁぁぁ―――!!? 」


俺は思わず体を上げて、リリナに向かって叫んだ。


「いや待てよ!? 我が妹がなんで名簿リスインサンキュー的な感じになって、異世界に来てんの!?」

「いや、私に言われても…」

「どーすんだよこれ?! 大魔王討伐しようとしたら大魔王にザキばっか唱えてるキャラに俺は降格すんのか!?」

「いや、そのキャラに失礼!!」


死んだ目をしながらリリナは、その叫びを聞いてる…なんだこいつ。


リュウカはこう否定しながら小声で言う

「いやいや! あれが叔母様に選ぶなら三途の川の橋をジェット機で行く勢いだからね!! そんなのを選ぶくらいならジェット機で異世界を見渡した方がまだいいから !!」



リリナは腕を組んでリュウカに小声で言う

「にしても…妹さんスタイル良くない ?」



リュウカはやれやれとしたような声で言う

「スタイル ?微妙に大きい胸と冷たい目線でクルーだけどアレ実はかまーー」



再びリュウカの頭に酒瓶が飛んで壊れた

再びリュウカはレジカウンターで(以下略)

腕を組んで明後日を向きながら言う



「構って欲しいなんて言ってないでしょ馬鹿兄貴! もぅ…せっかく会えたのに台無しだよ」



リリナは苦笑いをしながらその男性に尋ねる


「えーと、そろそろ名前を教えてほしい…。あと女神はどんな感じだった…?」


その男性はリリナの発言に対して答える


「私は、そこに伸びてるバカ兄貴の妹。元の名前は片倉茉梨かたくらまり兄貴の二つ下の中学三年生、女神は…かなり気品があって露出度高めだったかな」



それを聞いたリリナは何かを察した顔をした


それは、あまりにも、リリナに、とって、宿敵、である、胸だけどね。


リリナは頭を抱えながら小さく言う


「その女神は、ハイテンションで人の話を聞かないヤバいやつ…。何より巨乳腹立つ」




―――――――




リュウカはムクっと体を起こした

それ椅子を回転させて妹に尋ねる


「名前どーするんだ? マリだと女の子だしな」


妹はしばらく考えて答える


「ラインハルトでいいや」


リュウカはコップに入ったジュースを手に取り一口飲んで言う


「ラインハルトどんだけ好きなんだよ、確か「アーサンチャップル☆」とか言う乙女ゲーに居たよな」


アーサンチャップル☆とは…

乙女ゲーで、好きな男性と絆を深めて戦っていく…シュミレーションとアクションが混ざったゲームである

住んでいた世界では、女子高校生と女子中学生の間で大ヒットしていて…そのキャラの中でも人気なのがラインハルトである。


恐らくそっから名前が来たぽいな

俺なんて、リュウカだぜ?

龍太からリュウカ…あんま変わらないなぁ


愚痴をこぼしたくなった

だが、それを飲み込んでると…

リリナは何やら目を点とさせている

その視線は…リュウカが手持つコップ

そして突然叫んだリリナ


「あ…あ…あぁぁぁぁ!?」

「なーに叫んでんの?」


リリカは少し恥ずかしそうに口にする


「わ、私の飲んだ奴…それ…」


リュウカは少しばかり目を瞑ってこう思う


うんうん、それって関節キスだよな

うん…? 俺飲んでたのってなんだっけ?


リュウカはよく見た、手前にあるコップは砕かれて中身がこぼれていた

リュウカは目を点とした時…何かが頭に入ってくる文字。

それは「作成スキル」と書かれたもの

そして追加に錬金術も覚えた。


リリナの分析スキルが発動され

リュウカの覚えた物が増えてる事に驚く


「私の関節キスで…二つも覚えたの…? なんか嬉しいような、嬉しくないような」


ラインハルトはその話を聞いて少しムッとした顔をして言う


「関節キスとか…兄貴から食べ物を貰ったものは無いけどあげた方ならかなりあったはず」


少しばかり負けず嫌いが分かる

とはいえ、リュウカはこのふたつを覚えた事により…早速何かを作ってた。


光り輝くレジカウンター、それを眺めるリリナとラインハルト

そして―――それを持ち上げたリュウカの手に持つものは強い光はやがて消えた。


リュウカが手に持つ物それは―――


「ぱ、ぱ…パンツ…」


リリナとラインハルトは口を揃えて言った

リュウカは頷いてこう言った


「履くものがなくて…今の奴は悲しい事に少しばかり汚れてさ。あとなこれはパンツじゃない…ぱんちゅだ」


リリナは少しばかりため息を履いて胸をなでおろした。

だが、ラインハルトは…違かった

なぜが殺意ある眼差しだ

これは許せないっと意味合いだろうか?


「兄貴、シバかれたい?」

「え? 俺女だから問題ないでしょ?」

「そう言うことじゃない! 私より可愛いの作るとか認めないわよ!!」

「えー…フリルぱんちゅいいじゃん」

「うるさい―――!!

ダメったらダメ―――!!」

「うぉ!? なんで怒ってんの!?」


この日は、女神マートは…賑やかだった

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自堕落女神の選別で異世界転生した俺はロリに転生して滅んだ異世界ライフを始めました 速水すい @zerosekai

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