摂津国の武家の少年セツが、京から来た陰陽師と出会い、
宝物殿から盗まれた呪具をめぐる騒動に巻き込まれる。
陰陽師がいて鬼や妖の出る世界であると同時に、
蒸気で動く汽車が走ってたりするんですよ平安京。
インフラ維持のため日々頑張っている方々もいて、
世界観の細かいところまで面白いです。
主人公のセツ君は脳筋……非常に言葉を飾らない少年で、
思ったことを素直にそのまま言うのがとても可愛い。
周囲の大人たちが、ニヨニヨ見守ってたり、
言葉足らずな振舞いを諭したりフォローしたり、
導いてくれるのもよいです。
脳筋とツンデレ美少女のあれこれには
読んでいてニヨニヨしたくなりますが、
いろいろな事件の裏には、
この時代の歴史的背景もしっかり絡んでいて。
本作で起きた事件は本作で解決しますが、
このすぐ後の時代の彼らがどうなるかも
見てみたい気になる作品です。
面白かったです!
摂津国渡辺津で生まれ育った武家の少年・渡辺切(セツ)が、蒸気機関で発展する平安京に蠢く妖魔退治に繰り出すスチームパンク伝奇アクションです。
妖魔を封じた呪具が宝物殿から盗み出された! 呪具蒐集を命じられたセツは、陰陽師の賀茂道世と共に人外の妖魔たちが引き起こす騒動に巻き込まれていくのですが、セツは妖魔相手に太刀一本で圧倒する天賦の才の持ち主で、周囲を唖然とさせながら繰り広げる大立ち回りが痛快です。
京の都では蒸気を噴き出す塔が立ち並び、海や川には蒸気船、洛中には汽車が走り、機巧仕掛けの蜘蛛や牛、甲冑で武装した武士たちが闊歩する。そんな都を奇々怪々な怪異が跋扈し世の中の平穏を乱す。舞台として描かれる京の情景が古臭さを感じさせず、とにかく斬新!
平安時代にスチームパンクで妖怪退治という一見ミスマッチな組み合わせに思えますが、歴史小説と空想科学SFを違和感なく融合させた作者の構成力が見事です。
都に呪具をばら撒き怪異騒動の影で暗躍する者たちの目的はいったいなんなのか。歴史好きやSF好きだけでなく、バトルものが好きという読者にもオススメです。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)
某ノベルアッププラスさんで連載先行している作品です。
まずは作者様お気に入りの平安パンク。
陰陽師、巨大蒸気機獣、さらにはスチーム吐きまくりの外骨格バトル大鎧武者が入り乱れるなか、俄然メタリックな重厚感と蒸気マシマシでぶん殴る…
かと思いきや主人公の少年セツは正統派の頑張り系もののふ! 鋼鉄だろうが物の怪だろうが脳筋パワーで超ぶった斬りに行く、爽快がんばりアクションバトル。
ネタバレしちゃいけないんですけどね、先々にはですね、何と謎の美少女との出会いやらほのかなじれじれ脳筋展開も(なんかちょっと場違いなキーワードが)
紹介キーワードがアンテナに引っかかる方、是非是非。面白いですよ!