最後まで読ませていただきました。
良い意味で訳文を読んでいるような、日本人とは異なる価値観や思想に基づいているような趣深さを語彙などから感じました。
全体的に含みのある抽象表現が目立ったので、何度も読み返して吟味したくなるような奥深さも特徴的だと思いました。
アルバートの雄々しくて少しばかり高慢ちきな性格がなんとも魅力的で、しかもそれがあの本が言うような“謙虚”という評価を嫌うその負の執着故だという背景を知ったら一気に愛着が湧きました。
全体的にオシャレで情緒的な文学性が見受けられました。
最終話の盛り上がりの描写は特にお気に入りです。
“失う”という言葉の意味を穿った見方で捉えるきっかけに出会えて、読後感は爽快でした。
(作品を2周分読み終えてからこのレビューを書いています)
とても楽しく読ませていただきました、今後の作品にも期待しています。