主人公の少女ニーシャが、小さないたずらを重ねてまで会いたかった人は、一年に一度しか会えない人でした。
彼女の命の恩人なのに、彼の瞳には悲しみが宿っている。
それに気づいたニーシャは、今度は自分が彼を助けたいと、真心を込めてアップルパイを作ります。
果たして、秘めた純粋な恋心は、彼を救うことができるのでしょうか。
罪の裏に隠れた真実は、決して悪だけではありません。そこに愛が溢れていることだってあるのです。
ニーシャのいたずらがその証拠です。
真実を見極める目を持てるようになりたいなと、この物語を読んで思いました。
今宵は聖なるクリスマス。この日、この物語に出会えたことに感謝しました。
皆さんも是非、読んでみてください。お勧めです。
ムスタ・ヨウルプッキ。フィンランド語に造詣が深い人なら、名前だけでピンとくるかも? 私は読了後に確認のために検索しました。 本編を読むと薄々わかるので、気になる方はぜひ本編でご確認ください!
この物語の世界にも、サンタクロースがいて。良い子にはもちろんプレゼントが届けられるのですが。
考えてみよう。悪い子はプレゼントをもらえないだけ?
なんと悪い子には、プレゼントの代わりに犯した罪に対する罰を与えに来る人がいたのでした……。
主人公ニーシャは、サンタではなく罰を与えに来るというムスタ・ヨウルプッキを待ち侘びる。アップルパイを用意して。
彼女の毎年の願いはいつも切なく、そして、悪い子としての罪となってしまう願いも哀しい。そして重ねてしまった想いも罪の認定。
その罪にムスタ・ヨウルプッキはどのような罰を与えるのか。そもそもそれは罰が必要な罪なのか。
お互いが無自覚に秘めた恋心の行く末は。
次のクリスマスが待ち遠しくなる物語です。