後日談
夏になったこの山にとある親子が登りにきた。夫婦とみられる男女と幼稚園の男の子だ。
女性は花束を持っている。とある登山路に棒が立っている。
「杉山秋人」
と書かれている。
「パパ」
と男の子はその棒に触る。ここで秋人は見つかったのだ。花束を持っていたのは秋人の妻。共にいた男は春彦であった。登山が初めての二人に同行していた。
実は秋人には妻子がいたが、秋人の放浪癖が原因で結婚してすぐ別居をしていたのだ。だが離婚はしていなかったので身元引き受け人は妻である。
さらにその上で雪崩が起きて家が潰れてそこに住む美冬たちが死んだこともわかっているが夫の方が不審死ではないかと今警察で調べられている。
「パパはお友達を助けに向かって、お星様になったんだね」
と男の子はそう言う。しかし事実がわかったのはその後のことであるがまだ誰も知らない。
あの時、あの冬、あの家で美冬と秋人が雪が溶けるように激しく熱く交わっていたことも。
終
雪を溶く熱 麻木香豆 @hacchi3dayo
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