アナベル 貴族って? アナベル領主になる。
「宿を探すって言ってもあてはないしな。どうしようかねぇ?」
「クラッシュベルク地区に行けば宿あるらしいよ。」
パンフレットを片手に歩くシオンとアナベルはクラッシュベルク地区に向かうことにしました。
「ここがクラッシュベルク地区か。賑やかな場所だな。」
「うん、すごーい 屋台がいっぱいある。」
どうやら何かのお祭りが行われていたようで偶然にも、屋台が立ち並んでいたのである。
「いいにおーい 何か食べよ?」
「そうだね。ちょうどお昼時だし 何食べようか?」
「お肉が食べたーい 」
独りでに走り出すシオン
「危ないよー 周りの人たちに当たらないようにね。」
「うん、分かった!!」
フェンリルのシオンは物凄い勢いで走りながら匂いを頼りにお肉屋を見つけ出したのですがアナベルを放って来てしまった。
「全く どこに消えたんだかね。
探知魔法 この世界ではかなり優秀な魔導師にしか扱えない魔法を平然と人前でやっちゃうあたり、変なことに巻き込まれなければ良いのですが…
「見つけたよ。全く 」
「▲☆=¥!>♂×&◎♯£」
「はいはい 口に食べ物を入れたまま喋らないの。」
「その子、幻獣かい? その子面白い子だね。」
「すいません、しつけはしたつもりなのですが。」
「あんた 幻獣使いかい? 凄いね。こんなに若くして」
「いえいえ まだまだの身で 修行の旅を続けながら定期的に領地戻るんですよ。」
「えっ!?」
あっ しまったと思ったアナベル アナベル家は由緒正しき有力貴族の家であり王家の血筋を持つ家のため、息子であるアナベルにも領地が存在するのです。
領地経営はアナベルの弟でアナベル・コロアロが代理を務めております。
「いえ…あのー 」
「ご主人様の家 きぞく(?) っていう者なんだよ? えっへん えらいでしょう!!」
シオンが静寂を遮るが如くそういうとお肉屋のご主人が頭を下げた。
「申し訳ございません。御無礼な態度 本当に 本当に 」
またかと思うアナベル 貴族の家は強大な力(魔力)を持っている人たちが多く一般市民如きが喋るのもおこがましいと勝手に思われることがしばしばあるのであります。
「いいですから 頭を上げてください。」
「いえ、私たち下賎な者が生活出来てるのも貴族様のおかげでありまして…」
「頭をあげろ。 命令だ。」
「ははっ 」
「とりあえず、お肉を全て買うから用意しろ。」
「分かりました。直ぐに!!」
命令口調にならなければ僕らが帰るまでずーっと頭を下げ続けていたのである。
ちなみに貴族にも序列があり、アナベル家は最高公爵大公と呼ばれる地位にいてどこの貴族よりも上の立場であり他の地域でも命令や処罰を与えることが出来るので市民は基本的に頭を下げ続けることが多いのであります。
「お肉の用意が出来ました。」
「そうか。お代はこれぐらいで良いな。」
10年ぐらい商売をしなくても暮らしていけるぐらいの金貨を渡したアナベルたちはここの領主邸に泊まらせてもらうことにしました。
ここの領主 フェレンツゲレーナ上級公爵家は優秀な
「ここが公爵邸? 普通の人達と比べて大きい。でも、ご主人様の家の方が大きい。」
「しーっだよ。失礼でしょ。」泊めて貰うんだから (こういう時だけは貴族の力は使い勝手がいい。)」
近衛兵に中に入れるよう命じる。
「貴様 何者だ!!ここは上級公爵閣下の公邸であるぞ!! それを知っての狼藉か!!」
「黙れ 下民が いつでも上級公爵の地位を取り上げてもいいのだぞ?(実在出来るから怖いな。)」
「無礼者めが!! やれ!!」
近衛兵が現れ、取り囲み攻撃を仕掛けてきた。上級公爵家の地位を剥奪し、ここをアナベルの領地にすることへの大義名分も出来たが実質弟に負担を負わせることになるため、上級公爵家から公爵家の降格と長官の地位をおじいちゃんであるアストロに任命するよう求めることにし、近衛兵を全員ボコボコにしてやることになったのであります。
「全く これだから下民共は シオン 左任せた。右は僕直々に相手してやるよ。かかってこい。」
「何を!! 撃って!!」
近衛兵が発砲 シオンとアナベルは消えていた。
「どこだ!! どこに行った!!」
「
肉体強化と肉体防御両方を行うことが出来るこの魔法はシオンの身体の高さとアナベルの魔法適正の高さによってなせるもの。
「行くよ!!
フェンリルが持つ鋼のような爪で空気の刃を飛ばし鎧ごと叩き切られる感触を感じた瞬間、胸の辺りに激痛が走り気絶したのであります。
「
超回復魔法で一瞬のうちに傷が治り、瀕死の近衛兵たちは回復させて中へと入っていくとフェレンツゲレーナ・イストウェルの妻であり、顔見知りのテレスが出て来ました。
「お久しぶり テレスさん」
「こんばんは 今の騒ぎは?」
「下賎な者が襲いかかって来ましてね。瀕死の状態になってますがそのうち回復すると思うよ。」
「申し訳ありません。うちの近衛兵が!!」
何かを察したのだろう。頭を下げた。
「ちゃんと、このことは伝わると思います。覚悟はしておいた方がいいかと。」
「はい…」
この後、近衛兵たちは目を覚まし公爵夫人からことの次第を聞いた近衛兵たちは顔が真っ青に 直ぐに国王の耳にも入ったことで大事となった。
王家の血筋を持つアナベル家の長男を貴様呼ばわりし、攻撃をしたことについてとフェレンツゲレーナ・イストウェル近衛親衛隊長官としての不正などが加算され、フェレンツゲレーナ上級公爵家はお家取り潰しの領地没収となり、その領地はアナベル家のものとなるという最悪の事態を招くも新しい領主がアナベル家ということもあってか大きな騒ぎにはならなかった。
「ここの公邸で過ごすか のんびりと 」
「どうしてフェレンツゲレーナ上級公爵家はお家とりつぶし(?)になったの?」
「貴族の中には序列つまり地位があるわけ 例えば、うちの家は由緒正しき王家の血筋を持つ有力貴族で最高公爵大公っていう貴族の中で一番の地位を持っている。うちのおじいちゃんが今宰相を ギルド本部議長をお父さんがやってる。」
「ふーん、つまり血でこの世の力は決まってるのね。」
「そういうことになるね。だから… 冒険者になったんだけどね。中央官僚なんてつまらないし、いくら優秀でもコネだと思われるのが必然。」
「きぞく(?)も大変だね。」
「この領地は4割が商人か。あとの4割が農人、2割が漁師 なかなか分散してるねぇ。」
「はい、この都市フェレンツ・トレナールは商業の都市として栄えてきましたが今や農人が増え、農業の需要が高まりつつあります。」
「商人は何を売ってる?」
「肉や魚、お酒、野菜、果物など様々なものを売ってますが特に多いのが果物で貴重なりんごの木が沢山あるところがあります。」
「うん、分かった。領地経営と冒険どちらもやる訳にはいかないか。仕方がないよね?」
アナベルは領地経営をすることに決めたのであります。
その事を察したのかこくんと頷くシオン
初めての経営だけどスキルは最高 能力も高い。
一度だけ中央官僚として働いたこともある大丈夫だと思い、冒険者から領主へとなったアナベル
果たして上手く領地経営出来るのか!? 期待です。
幻獣使いの英雄譚 ミントグリーン @mintogurinn
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