メソクレシス
安良巻祐介
眼鏡をかけた蝶が夢の中に出て来てひらひらと舞うている。
それをぼんやり見ながら、蝶のあの気味の悪い小さい目玉に眼鏡が必要だろうか、あれは誰が作ったのだろうか、あんな大きさの眼鏡をきちんと造るのはさぞ骨が折れたろうに、蝶一枚のためにわざわざそんなものをこしらえるのは狂人に違いない、などと考えていたら、やがて蝶がひらりとこちらへ近づいて、呟いた。
「うまれてこのかたなにもみえぬがいまおまえだけはよくみえる」
メソクレシス 安良巻祐介 @aramaki88
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます