17.発達障害という括り
ここまで、発達障害や自閉スペクトラム症という括りの中でその括りやその特性について話してきました。しかし、他の障害や病気にも言えるように個人差があります。
健常な子供でも個性があると思います。彼ら彼女らの教え方や接し方にはそれぞれにあった方法があり、全員が同じ方法で通用することはないということはないとも思います。それと同じように、「発達障害の子供にはこう接すればいい」「発達障害者にはこう説明すればいい」といったものははっきりとはありません。視覚化など大まかな方法は示されているものの、特性の違いから上手くいかないこともあります。大事なことは、本人のことをよく知り理解して、本人(本人がまだ子供などの理由によっては、親もしくは本人と親)の望む環境にできる限り近づけることです。
こう聞くと、やはり支援や配慮は難しいと感じる人も多いと思います。しかし、私たち当事者や当事者の親たちはとても小さな簡単なことでもいいから配慮をお願いしたいと思っています。LDで文字を書くことが苦手や苦痛だから宿題の問題文を書かなくてもいいようにしたい、聴覚過敏があるから防音機器をつけることを許可してほしい、など。どちらも学校側などに金銭的負担をかけるものではなく、許可するだけといった簡単な合理的な配慮だと思います。しかし、こういったことでも(すんなり通る場合もありますが)すんなり通らない現場があります。実際、問題文に関しては渋られたということを聞きました。
発達障害児たちが授業に集中できる環境にした結果、授業の理解度が上がったという教育現場もあります。授業に集中できるよう不要な掲示物を隠したり、授業の焦点を分かりやすくしたそうです。
発達障害の当事者達に可能な限り合わせた環境などにした結果不利益が起こったということはほとんど(全くといってもいいかもしれません)聞きません。むしろいい結果になるということを多く聞きます。そういう意味では、大きな可能性を持っているとも言えます。確かに理解や配慮・支援・環境整備といったことは難しいことでもありますが、だからといって後回しにはできない事柄だと思います。
お読みいただきありがとうございます。まず言いたいことは言い終わり、一区切り付いたと思っています。ここでしばらく時間をおきたいと思います。詳しくは近況ノートをご覧ください。
発達障害 私の不思議な脳の中 杉原菜月 @Giha
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