16.できること・得意なこと

今まで、発達障害当事者として主に自分が持つ特性について紹介・説明してきました。個人的には特性で困っている人の助けになればと思い書いていたのですが、十話以上書けたところでふと「これだけ困難さを書いてできることや得意なことを書かないのはどうだろう? 」と思い、今回この内容で書こうと思いました。

 発達障害という時、どうしてもできないこと、苦手なことにスポットが当てられてしまいます。しかし、同時にできることや得意なことも見る必要があると思っています。そうすれば、障害をオープンにして就職するときなどより理解を求められるのではと思います。発達障害の当事者ができる・得意とされていることなどをいくつか書き出してみようと思います。ここの特性や性格によって違いもありますが、参考にしてみてください。


ルーティンが得意

 これは結構よく言われることで、9話で触れた「予定の変更が苦手」ということの裏返しです。同じ時間に同じ予定や同じ作業を続けることが得意な当事者が多いです。健常が苦になったり飽きたりする同じ作業の繰り返しを問題なくこなせる人もいるそうです。

行動力がある

 多動や衝動性(ADHD傾向)を持つ人によく言われることで、すぐ動いてしまうことがいい方向に働くと他人が立ち止まってしまう場面で躊躇なく行動できるようになります。

健常者と違う感覚を持つ(別の視点からものが見られる)

 できる、得意なこととは少し外れますが、感覚の過敏や鈍麻やそうでなくても健常者と違った感覚を持つことがあります。それを生かしてクリエイティブな仕事をしている人もいるそうです。

真面目・言われた通りにする

 コミュニケーションが苦手で言われたことをそのまま受け取ってしまう、言葉の裏が読めない、想像力が乏しいの裏返しです。言われたことをただただ言われた通りにこなせることが多いです。「全部」と言われれば全部、「ここからここまで」と言われればその分だけ。説明の仕方を少し気をつければ、真面目に取り組めます。

嘘をつかない

思ったことを思ったまま言ってしまうことの裏返しです。嘘をつかないというか嘘が苦手で、嘘をつけないという人もいます。(個人差があります)


少しですが書き出してみて、やはり発達障害はいいところが悪いところに埋もれやすいと感じました。その人をちゃんと見るということはとても難しく、教師にも難しいことです。(話がそれますが先日それを実感しました)しかし、よく見てみれば、その人にもできることや得意なことがあると思います。

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