めちゃくちゃ好き…めちゃくちゃ面白かった…
物語の主人公・リタは両親を亡くし、使用人として働いてきた。けれど、罵声や暴力など、そこでの生活はひどいもの。そんなとき、白銀色の髪と深紅の瞳を持ったルアンナという人物に出会い、「飛竜を守って」と言われる。
白銀色の髪を持つ「ダイモーン」は、かつて飛竜を守る役割を担い、守護の種族と呼ばれていたが…?
少女リタの成長が見どころの一つです。右も左もわからない中、ダイモーンの仲間たちに支えられ、強く、たくましくなっていきます。とってもかっこいいです。
使用人として働いていたときは、「あれをやれ、これをやれ」と自分の意思を持つことを許されていなかったリタだが、飛竜の世話をしていきながら、自分の目で見たもの・体感したものを大事にするようになります。
大多数の意見と違っても良いんだと、この作品は教えてくれます。
もっともっとこの世界に浸っていたくなりました。大人も子どもも楽しめるハイファンタジー作品。
物語全体としては、落ち着いた雰囲気をまとっているのに、山も谷もちゃんとあり、胸がアツくなるはずです。ぜひ読んでみてください!
異世界ファンタジーながら、独特な世界観と優しい雰囲気がとても良いですよね!
リタはとある家で使用人としてこき使われ、辛い毎日を送っていた。
そんな彼女の元に現れたのは、ダイモーンと呼ばれる悪魔の者。
その相手は、リタを迎えに来たと言い、突然、飛竜守りであるダイモーン達が暮らす地へ連れて行かれる。
そこで彼女は、母もまたダイモーンとして、飛竜守りだったこと。
そして、ダイモーンや飛竜は決して恐ろしい存在でないことを知る。
母と同じ飛竜守りとして、リタはどう成長するのか。
そして、ダイモーンや飛竜達の命運や、如何に。
……と、個人的にどこか叙情的な雰囲気もある変わったファンタジー世界感なのですが。
見どころのひとつは、やはりリタというキャラの性格と成長でしょう。
蔑まされる生活にあった彼女が、慣れないダイモーン達との暮らしの中ででの不安や自信のなさ。母への憧れ。思うようにならない苦悩。
そういったものと葛藤しつつも、彼女らしい優しさ。思いやり。洞察力。そういう点でひとつずつ。少しずつ成長していく姿は健気であり、どこか温かさを感じます。
そして、もうひとつはやはり、世界の独特感でしょうか。
人間が飛竜守りをデイモーンと呼び、蔑む理由。
その過去にある物語。
こういった部分での世界の奥深さというのもまた、非常に楽しめる理由にもなっています。
まだまだリタの成長もあり。ダイモーンと飛竜達がどうなっていくのかも気になる本作。
冒険に囚われない、世界と温かみを感じる物語を読みたいあなたに是非おすすめです!
文体や台詞から、「やさしさ」が滲んでいて、こういう作風はとても好みです。
一話一話が短く、まだ話数も5話だけですが(このレビューを書いている現在)
話が進むにつれ、きっとリタにもっとつらいことが起きるんだろうな、つらい過去を知ったりするんだろうな、と容易に予想できます。
ですがその予想は、この物語の読み味である「やさしさ」に溢れた結末へとつながっている気がします。
あまり他の作品で形容するのは礼儀ではないですが、
どことなくジブリ作品を鑑賞している気分でした。
とはいえまだまだ話数も少ないため、今は多くを語ることも出来ませんが、
続きをとても楽しみにしています。