第4話 何も起きない

周りを観察してみた。が、特に異変は無い。学校とは普通こういうものであるってくらい普通だ(何言ってんだ俺)。



結局何も起きず放課後。


「部活行くか」

と前の席に座っている天パやろうに呼びかけた。


「よし行こうぜ!」


俺と大畑は体操服に着替えて体育館へと向かった。ラケットと水筒、タオルを持って。

実は俺な。バドミントン部なんだよ。帰宅部と思ってたやつ出て来い。シバいてやる。



部活中も周りを見てみるが特に何も起きない。これは……ジジイの勘違いかな。いや、でもアレでも一応神だし。万が一のため聞き込みでもしとくか。

とりあえず休憩中の部員に変わった事が無かったか聞いてみた。


「なんか変な事無かったか?」


「無いね」「無かった」「ないなぁ」

と全員このような返答。示し合わしたかのように同じ回答だ。いや、変な事があっても困るのだが。

シャトルがある程度一定のリズムで打たれるのを聞きながら考えてみた。明らかな変化

か。

……なんだろな。事件か、出会い、能力の開花、自然災害くらいだな。最後のだけはやだな。防ぎようがない。

出会いくらいにしといて欲しいもんだ。


その後も普通に部活を続けたが特に何もなし。学校中を索敵してみたが反応は無い。なので、もう何も起こんないわこれ!と思い普通に部活をした。


あ、お茶無くなった。


「ちょっとジュース買ってくるわ」

と友達に行ってから教室へ向かう。そして、財布をカバンから取り出して自販機へ。何故かは知らないがこの学校の自販機は結構離れた場所にある。めんどくさい。なんであんな遠い位置に置いたんだ。もっと教室に近い所に置けよ!と悪態を心の中でつく。


ジュース何買おっかな。暑いから炭酸にしよ。

走ると炭酸が抜けていくので帰りは行きよりもゆっくり、なるべく水面が揺れないように歩く。

そして、教室へ行く途中……どこからともなく泣き声が聞こえてきた。

軽くホラーだった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異端な少年は普通を装いながらも世界を変えてゆく 鈴木 那須 @kanade0625

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ