第3話 戻ってこれた?

2021年 3月15日 6:30

目が覚めた。場所は、、、、、大学のころ一人暮らししていた家賃三万のアパートのようだ。

どうやら本当に戻ってこれたらしい。

ここは朝とっても鳥が鳴いている。懐かしい。

とりあえず時間を確認しよう。

寝るときは大体枕元に置いてあるスマホを、、、あれ、ない。


私は20歳に帰ってきたはずだ。何かおかしい気がする。20歳になった日はまだ人生が楽しかった。たいして裕福だったわけでもなく、友達もたくさんいた。そう、20歳になった誕生日の日は、友達の中でも一番20歳になるのが遅くお酒が飲めるようになったのも遅かったから、みんなが祝ってくれたのだ。だから、その日は友達と1日中遊んでいたはずだ。


しかし、今私は朝の時点で家に一人いる。

明らかに20歳になった時ではないのだ。

あらゆるところを探したがスマホは見つからない。あきらめ、そのアパートにテレビの代わりに置いていたプロジェクターの電源をつけ、ニュース番組を開いた。キャスターの前においてある日付を見た。3月15日だった。

そんな時、ベッドの下からスマホの通知音が鳴った。

昔の自分の寝相が悪くて落ちたのだろう。

久しぶりのスマホを手に取り、画面をつけた。

当時はやっていた緑色のSNSの通知が12件たまっていた。

そのうち2件は当時好きだった人から。そのひとに振られた思い出がフラッシュバックした。3件は母親から。残りは友達からだった。


好きな人からは

お誕生日おめでとう! 

またいつか遊ぼう


母親からは

誕生日おめでとう

起きてる?朝ごはんは?食べた?

クマがちらちらこっちを見ているスタンプ


高校の友達、大学の友達からもお誕生日おめでとうと

その中の一件に気になるものがあった。


“俺はもうあと一か月でお酒が飲めるようになるけど、お前はあと一年頑張れよ。”


どうやらこの文からするに19歳の誕生日のようだ。

どうして20歳じゃないのか、、、

すぐに分かった。この早生まれとかいうせいだ。早いというのに遅い。成人していないのに成人式に出て、まわりはお酒飲める中、オレンジジュースを飲まなければならない。つまり、周りが大人になるのはこの2021年、だから私は19歳の誕生日に戻されたわけだ。


たしか私が小説を書いたのは2022年7月中旬頃だった。

それまであと一年四か月もある。さてこれからどうすればいいのか。とりあえずいまの周りの状況をつかまないと何も始まらない。


とりあえずニュースを見よう。1時間ほどぼーっと見ているうちに大体思い出してきた。

2021年の3月といえば、ウイルスによって我が国は過去に例をみないほどの不景気に陥り、ウイルスの第二波が収束しようとしている中、他国同士で第3次世界大戦の火蓋が切られようとしていたところだった。

どうして自らこんなところに戻ってきたのだろう。これから起こる大事件は2052年の時に大体頭におぼえこんできた。それらをとりあえず紙にざっと書き出し、眺めてみたがいいニュースなどほとんどなかった。

さあこれをどうしようか、、、


わたしはハッと気づいた。

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Drug ぐでっくま @Gudekkuma

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