第6話 鏡の間

鏡の間は城の奥、地下にあって


少し薄暗い部屋にびっしりと鏡が貼り付けてある


「合わせ鏡って良くないって聞くけどなぁ」


「上も横も鏡だらけ……気持ち悪くなりそうだな」


「こ、ここで何をするんでしょう」


「この部屋の奥にある大きな鏡をご覧下さい」


背後にいたメアリー・アンが指を指す方角を見ると綺麗な装飾がされた横に大きな鏡があった


「高そうだわ!」


「その鏡は真実の鏡…あなた方の本当の姿を映し出します」


「本当の姿……?」


何も変わりない自分が映っているのだが


「いつものアタシだわ」


「な、何もおかしなことはないですね」


それはキィも翠さんも同じなようだ


「私たちは普通みたいよ?この姿が映ってる」


「それではあなた方はそれが真実なのですね」


「うぅ…わたし鏡……苦手です…自分の嫌な部分が客観的にはっきり見えて……」


「確かに こんなカッコしてたんだアタシ……」


私はこの格好好きだけどなぁと思いつつ1人静かな葵を見る


「……葵?どうしたの?」


変わりのない葵を映す鏡を見つめて黙っている



「…………っ」


何を思ったのか葵は思い切り鏡を殴る


「ちょっ!危ないじゃない!!割れたらどうすんのよ!」


壊したら絶対弁償と斬首よ!!?


「……こんなんじゃ鏡は割れないか……」


なにかぶつぶつ言っている


「何してるの!?手が赤くなっているわ…!冷やしたり…手当しなきゃ」


「どうでもいい…夢だし治るだろどうせ」


「身体は大事にしなきゃダメよ!どうにかなってからじゃ遅いんだから!!」


「……え」


茜にもっともなことで叱られてキョトンとする


「な、なあに?その顔」


「君……普通なことも言えたのか……」


「まあ!失礼ね……私はこういう事はちゃんとしておきたいだけよ」


ちゃんと…そう言って茜はメアリー・アンから救急箱をもらい包帯をまく


「身体は大事にしなきゃいけないの…大怪我なんてしたら……ああ……」


「……なに?」


「……え?私何か言ったかしら?」


本当に分からないと言った顔で首を傾げる


「え、いや…なんでもない」


「とにかく!こんな病院もない、怪我したら治るかも分からない場所で大きな怪我をしないでちょうだい!」


返事は!!?


「……ご、ごめんなさい?」


「よろしい!」


葵が何故鏡を殴ったかは後で問い詰めることにしよう

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不思議の国の4人のアリス 鹿尾菜 ケイ @sikaona

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