第81話「黒き女は、墜落する」


カクヨムコンテストに、

※『のろま『タンク』と言われ馬鹿にされた「重戦士」───防御力をMAXにしたら「重戦車」(ティーガーⅠ)に進化した』


https://kakuyomu.jp/works/1177354054892378214


この作品に、

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─── 本編です ────



 ズドォォォォオオオオオン………!!


 ズドォォオオオオオオオンンン……!



 全弾発射ッ。

 全弾命中……!!


「はぁはぁ、はぁ…………」


 モクモクと立ち込める爆炎のなか、ガンネルの上でエリカが荒い息をつく。

 心なしかガンネルの動きも不安定に見えた。


「や、やったか……?」


 これだけの集中射撃だ。

 しかも、装甲貫通力の高い対戦車榴弾の発射。


 いくら機関銃を弾くほど装甲が厚くとも!

 これで効かないはずが──────……。


「カッ! そーいうのを、さ。フラグっていうんだぜぇ?」

「ッッ?! な、ば、バカな!?」


 モクモクと立ち込めていた爆炎が、風にあおられて晴れていく。

 そこには、カチンと凍り付いたエルフの空挺兵と……。まったくの無傷のバーンズがいた。


「ったく、加減ってのを知らんよな───お前ら人間は、さ」


 う、うそでしょ……?!


「ど、どーやって……」

どう・・? カッ、なんもしてねーよ? ただ、隠れてただけさ───」


 コンコンッ、と凍り付いたエルフの空挺兵を叩いて見せる。

 まるで硬質な金属のように固まった、それ。


「ば、かな……! ぱ、パンツァーファウストよ?! に、200mmの装甲だって貫くのにぃぃ───!!」


 エリカの顔が蒼白に、

 それは武器を防がれたこともさることながら……。


「カッカッカ! パンツァー何とかが、どうか知らんが、時空を止めたんだぜ? それは装甲だなんだの次元じゃねーのさ。つまりよー、どんな武器でも貫けやしねぇ───例えドラゴンのブレスでもな!」


「そ、そんな……。馬鹿な───」

 ヨロリと傾くエリカ。


「おっと、そろそろか?」

「な、なにを……? まだまだ、アタシは───負け、」


 そして、ガンネルが浮力を失ったようにバラバラとほどけていく……。


「いーや。負けさ。ちゃお~♪」

「ぐ、が…………」


 エリカの瞳から光が消える。

 そして、言葉も発せずに…………ただ、手を伸ばす───。


「カッカッ!───ガンネルコマンダー。無敵で不死身の兵士だったか……? だが、欠点が一つだけあるんだよな。そーだろ?」


 ニィと笑ったバーンズ。

 しかし、既にエリカは喋ることもできない。


「よーするに……燃費の悪さカロリーの消費量。そりゃ~、あれだけの分裂個体を維持するんだ。並大抵のエネルギーじゃないわな、つーことで……」


 ……ガンネルコマンダーの弱点。

 それはエネルギー消費の多さにあると言っても過言ではない。


 なまじ、多数の並行意思を持つだけに、彼女らは大量のカロリーを必要とする。


 そして、全力で活動すればするほど……。


「………………るじィンヘァ


 エリカの目から涙が一筋───。


「俺の勝ちだ───あばよ! カッカッカッ!」


 チバッ♪ と似合わないウインクを投げるバーンズ。

 それを虚ろな目で見るエリカは、ついにグラリと倒れると、高度を落とし……。


 ひゅぅぅぅううううう───…………。


 ガンネルとともに街へと落ちていく

 かなり高度は下がっていたものの、高いことにはかわりはない。

 そして、

 その高さから、エリカの身体は炎上した街の黒煙のなかに消えていった。


 あとには濛々とした土煙が立ち昇り、もはや何も見えない……。


「さーて、一番厄介な奴はやったことだし、次はタイマーどもの番だな」


 カッカッカ。


たぁのしいねぇ、ちまたは~! たまには外で息をするのも悪くねぇ!」



 カーーーーッカッカッカッカッカ!!



 さぁ、待ってろよガキども。

 この先輩が時空魔法の使い方を教育してやるぜ。


「ふふふふふふふふ」


 クカカカカカカカカカカカ!


「カッカッカ!!」


 夜空にバーンズの笑いが響き渡り、奴が悠々とエルフ空挺兵の上を歩いていく。


 さながら空の階段を下るが如く、

 街中に降下しているエルフ降下兵を無造作に踏みつけ、時空の彼方へと隔離しながら降りていく。



 そして、

 エリカはもう──────。


─── あとがき ───


   ※ お願いごと ※



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※『最強の勇者パーティに潜入中の魔王軍四天王、女勇者に気に入られる』


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※『のろま『タンク』と言われ馬鹿にされた「重戦士」───防御力をMAXにしたら「重戦車」(ティーガーⅠ)に進化した』


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追放されたSランクパーティのサモナー。転職して【テイマー】になるはずが女神の誤字のせいで【タイマー】になったので、最強の「時使い」になります LA軍@多数書籍化(呪具師100万部!) @laguun

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