第9話 不協和音
妻は知っている。家庭内の不協和音は自分が原因であることを。家事放棄していることを。夫婦の会話をまったくしようとしないことを。良い母親を無理して装っていることを。
子ども達は知らない。10年以上前から家庭内で卑劣なモラハラが行われ続けていることを。悪いのは父親だと刷り込まれていることを。ヤフオクやアマゾンで小さな買い物をし続ける理由を。仕事にキリがついても帰らない理由を。
妻がいちばん恐れていること。それは、子ども達の心が離れること。
ヒトは自分のことをとても大切にしてくれる人が犯罪者であることがわかっても、自分にとってのいい人である部分のみを見続けていたいものだ。その犯罪者をとがめることはしない。これは、いじめの構図に似ている。
被害者の気持ちは、誰にもわかってもらえない。子ども達からは自分が絶対正しいと思っているがんこ親父、いやそれ以下に見下されている。もがけばもがくほど深みにハマる底なし沼のようだ。
冷酷な妻が目の前で別人のように子どもと会話している姿を見て、そのギャップに吐き気を催す時がある。
妻は、もうあきらめている。と言う。何をあきらめているのかは言わないが、人のせいにして自分は変えないことを正当化するための言い訳のように聞こえる。
息苦しい家の中を変えようと、2年前から飼い出した犬を妻はモノ扱いし、音で脅したりクサイ・ウルサイと責め立てる。
娘から犬のことでもめるなら離婚すればいいじゃん!と諭すような言い方で言われてとてもショックだった。
犬を問題にされてるけど、犬じゃないんだって。
モラハラ妻 たぬ吉 @fujix
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