イシカワさん家

くのまる

壱話 ある噂

皆さんは、今の人生に満足していますか?

愛され、大事にされていると実感しますか?もちろん生きてるだけでやっとの方も居ます。そんな子が身近に居たのなら...あなたは手を差し伸べれますか?


私の住む街には、ある噂がある。

深夜の2:22分の時だけ、不思議な現象が起こる。その時間帯にカーテン、扉を開いてはいけないらしい。理由は分からないが、どうやらその時間帯だけは絶対にしてはならない、と言われている。実際私は気にしていない。だってそんな時間まで起きられないし 起きてる人なんて居ないと思うから。しかしこの噂が私の通う学校でも話題になっていて、いざやってみようとした人も居るぐらい。やったらダメって言われてる事をやりたくなるのが人間だなんて言う理由が、薄々分かる気がする。


『ねぇねぇ、聞いた?』


ふと女子生徒が男子生徒に聞いていた。

彼女は最近になって転校してきた子で、不思議な子。噂が好きで決まって昼の休み時間にだけ色々な場所を歩いては決まって噂話をしている人に 奇妙な話を喋る。しかしそれもあってかあまり相手にされていない。


『街で有名な噂は、実はネットの掲示板から流れたらしいよ?出所調べようとした他校の生徒が行方不明なんだって。あぁ怖い 怖い。』


そんな調子で喋る、私からその子の方がよっぽど怖い。私は気にしなかったがクラスのお調子者は当然食いつくわけで。『俺その掲示板調べよっかなぁ』なんて言う。周りも笑いながら『マジ止めとけよ~』と言うワケ。するとその不思議な子はお調子者に向かって1枚の紙を渡した。私は気になって見に行く。


『掲示板以外にも、その白紙に笑顔の人間を描くと...おっと、これ以上は言わないわ。でも1つ言うのなら、紙を無くしたらダメって話。』


『何で笑顔の人間なんだ?』


『...あら、あなた達噂の元の話を知らないの?じゃあ余計に止めた方が良いわね。』


『...もったいぶるなよ、教えろよ。』


...この学校の裏山に、廃墟の空き家があるの。

それが何故今も取り壊されないか、分かる?じつはあそこには5人家族が住んでいた。その内3人は兄弟。一番上は高校生の女の子。下は双子の中学生の男の子。そして父 母の家族構成。一番上の女の子はある依存性になっていたの。それは『ゲーム』。自身の人生をゲームと同じ思考で生きて、とにかく近くに無いと不安になるぐらい、彼女は依存していた。そして彼女は大罪を犯したの。ある日、彼女は身内を殺め自殺した。遺体は滅多刺しにされて 発見されたのは消毒液に満たされた浴室の中。その中にぎゅうぎゅうに入っていて、自殺した彼女は自らの首を刺して死んだ...。遺書には『愛して』『私を見て』『返して』そんな単語が書かれていた。しかしそれを隠す様に赤い文字で『殺す』と書かれていたらしいわ。


『私には分からないわ...意味が。』


『てか...風呂場で皆死んでるのかよ...。』


『もしかして...まだ...』


女子生徒は怯えながら聞いた。

実はこの噂が本当だとしたら、あの廃墟の家の浴室にその遺体があるという意味になる。実際これは出所の分からない話。ただ廃墟をそれっぽくしただけ...の可能性だってある。


『なぁ...じゃあさ。』

















『今夜、調査しに行ってみようぜ?』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

イシカワさん家 くのまる @Kunomaru417

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る