第10話 「そして私も止むことはなく」

時間(とき)は残酷

ひとの想いなど 知らぬ顔で通り過ぎ

夜が明けて 伝えきれない言葉の欠片が

鈍い光のチリとなっても

時の刻は止むことなく


時間(とき)は孤独

誰かの為にあるわけでもなく 印(しるし)のまま

宴に酔い 途切れた意識の残像が

忘却の闇に飲み込まれても

時の刻は止むことなく


時間(とき)は魔力

いかようにも過ごせる可能性を与えつつ

幸福と不幸の狭間を生み出して

記憶という名の雲になる

時の刻は止むことなく


時間(とき)は旅人

大地を滑り 空を仰ぎ 風を受ける

出会いを導き 感情を湧かせ

温もりに触れる意味を問う

時の刻は止むことなく

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【詩 蒼の時間】 小箱エイト @sakusaku-go

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