第2話【2話完結】

とりあえずここから出ようと、流木車を一生懸命押す。少年は未だに衰弱しきっているから、「手伝って」とは言えないだろう。


その時、赤く眩しい閃光が私の視界を遮った。


「ま…眩しい…!!」


咄嗟に眼を隠すが、既に眼はだいぶやられていた気がした。



ーー10分くらい、経っただろうか。


やっと眼を開けると、そこには途轍もない大きさの怪物が倒れていた。


「ここは危ない。早く下流にいかなければ。」パトロールの一人が言う。


さっきよりも少し速度を上げて、降りていく。


そして、遂に出口に来たと思ったが、今度はそこに大きな電車の車両が止まっている。これでは出口から出れない。


どうしようと考えていたら、その車両がだんだんこっちに近づいてきた。


やばい。潰されてしまう。


パトロールの二人に問いかけようとした時、またそこにはいなかった。


そして、大きな轟音と共に、車両が砕けた。


一体何が起こっているのか、さっきから訳が分からないが、とりあえず出よう。


そう思い、トンネルをくぐる。


暗いトンネルを抜けると、そこには扉があった。


扉を開けると、駅の人混みのようなところに出た。


「あれ、ここってーー」


そう、言って後ろを見た時、そこにはただの壁しかなかった。




そして私は口にする。


「なんでこんなところにいるんだ?早く家に帰らなきゃ。」


私はその駅の時刻表と行き先をを確認し、家に帰る電車に乗るのであった。


後ろの壁の中からは、二匹の鼠と一匹の小さい鼠がそっと見つめていた。

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The Small World 樋口 今宵 @koyoi_higuchi

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