The Small World

樋口 今宵

第1話【2話完結】

少年がふと穴から出てきた。


その少年が、すぐそこで遊んでいる。


何故か私は、声を掛けなきゃと思った。


そして声をかけようとした途端、大きな”波”が押し寄せる。


このままだと流されてしまう。


私は急いで少年をジャングルジムの上に引っ張り上げる。


ジャングルジムと言っても、10mはあるほどの、外では考えられない大きさだ。


そこで早1時間ほどたっただろうか。


波は引いたが、私と少年は衰弱しきっていた。


そこに、例のパトロールの二人が自転車を漕ぎやってくる。


二人に助けられ、やっと地面に降りれた。




さっきの”波”の影響は強く、川は増水していた。


だが、外に出るには川を下るしかない。


私はさっきの少年と、パトロールの”流木車”に乗って川を降りていく。


川の流れはとても激しかった。


流木車はとても不安定で、目が回ってしまいすごく酔った。


もう一生乗りたくないと心から思った瞬間であった。


しばらく川を下った時、突然、近くの倒れて中が腐り穴が開いた大木の中まで物凄いスピードで落ちてしまった。


私たちは驚きと衝撃に耐えきれず、慌ててなんとか流木車の端にしがみつく。


何があったのか。


そうパトロールの二人に問いかけようとすると、もうそこにパトロールの二人はいなかった。

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