本作は二次元キャラクターと会話が出来る主人公が、人気がありながらも陰キャのためにVtuberの演者を降板させられるヒロインを救う物語です。
Vtuberとは、動画配信サイトで3Dモデルなどのキャラクターを自身の代わりに出演させるもので、ここ1、2年くらいで爆発的に増えており、また演者もただの声役ではなく魂とまで言われています。
主人公はヒロインとキャラクターの絆を守るために奔走するのですが、実は彼自身にも大きな秘密があり、やがてそれは自身の魂と向き合っていくことにもなるようです。
現代的なまだニッチな分野ではありますが、時にコミカル、時にウェットな展開は読んでいて飽きず、新しい感覚にひたらせてくれると思います。
主人公・次元和平は「二次元キャラと話ができる」特異な能力の持ち主。
そんな彼に、大人気ブイチューバー・「にこたまブルーム」が助けを求めてきた!
どうやら、このままだとブルームの声優が変えられてしまうらしい!?
和平の奮闘が幕を開ける!
実は陰キャな声優、紗々をブルームとしてとどまらせるためには?
他にもゲーム、漫画など様々なメディアとたくさんのお仕事メンバーが絡んできて、和平と紗々を中心とする人間ドラマだけではなく、業界ドラマとしてもたつぷり楽しめます!
テンポよく進む仕事の話の中、ふっと交わされる二人の会話がセンス高くて、とても面白いです♬
自分の事を「白ナメクジ」とまで呼ぶ陰キャな少女は、あるキャラクターの声優を務めていた。しかし、人気絶頂にもかかわらず、キャラクターの声優を辞めさせられようとしていた。主人公はその少女のもとに、キャラクターと共にやって来る。主人公は、何故かキャラクターを現実に実物にできるスキルがあった。
キャラクターは少女をママと呼び、甘える。少女は混乱するが主人公と共に、声優継続に向けて動き出す。マネージャーと会い、運営会社に押し掛けるのだが、そこには大人の事情と、別の声優たちとの関係性が絡んでいて……⁈
そして明らかになる主人公の過去。マネージャーとの過去の関係。
陰キャ少女声優は、自分が担当するキャラクターを守れるか⁉
一つのキャラクターでも、声を吹き込んだら、魂を吹き込むのと同じだ。
声優が変わったら、魂がなくなってしまうのと、同じだ。
是非、御一読下さい。
ブイチューバー、にこたまブルームはかってない危機に瀕していた。
運営の策略により声優を変えようというのだが……。
小説、アニメ、ドラマ、ゲーム、創作を盛り上げるために生み出されたキャラクター。
キャラクターは自由意思のないシンボル、実在しない架空の存在だと扱われがちだが、実は彼らには生み出された時点で、自由な意思と魂を持っている。
しかも主人公は全ての魂と話ができ、時には声優の体を借りることも……。
テンポのいい展開とストーリー設定に、ワクワクが止まりません。
果たして、主人公は危機をどう乗り切るのか……。
続きが楽しみです。
(1-6 ブイチューバーの魂 拝読後のレビュー)