第2話 

うちからユニバまで、ドアツードアで1時間ぐらいだ。


急がないと待たせてしまうと思い、阪急からJRまで少し小走りする。


東京ほどではないが、いつでも人で溢れかえっている梅田。

しかも今日は日曜日。


急ぎたいけど急げないジレンマ。

前を歩いてる人に『はよどいてくれ…』と念じながらJRの改札に向かったのだった。


改札に着いた時点で11時15分。

11時20分に桜島行きがあると電光掲示板に書いてあり、予定よりも早くに着けると安心した。


久しぶりに乗る環状線。

やはり人が多く、ホームには中高生ぐらい女の子や大学生の男女が目立つ。


自分の周りが就活で忙しいせいか、学生がこんなに遊んでいることに少し衝撃を受けた。


つい最近まで私も彼らと同じように(今もだが)、遊び呆けていたのにも関わらず、彼らがノーテンキで少しだけ腹が立った。


意地悪な老人と同じような気がして、ショックだったし、急いでたのもあって、一気に老けた気がした。


いい会社に決まったからって調子乗ってたらあかんぞ…と自分に言い聞かせているとポケットが揺れた。


Aからのメッセージだ。


A『いつくるん?』


私『今梅田。32分につく。』


A『地球儀の前で待ってるわ』


私『おっけ。駅着いたらまた連絡するわ。』


そう送ったタイミングで電車が来て、私は携帯をまたポケットに入れた。


運良く座れた私は、SNSを見ながら時間を潰した。


どの団体も、まるで自分が一番凄いかなような態度で大声で話している。

一人でなるもんじゃないな、と思った。

シンプルに寂しすぎる。


『ユニバまで一人で行くの寂しすぎる』

と、くだらないツイートをして、また携帯をポケットに入れた。











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なりそこね 編野 真琴 @10am23ima

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