学校 カレシ
@meshi_4
第1話 生意気年下大学生とのお昼休み
キーンコーンカーンコーン…
講義に終わりを告げるベルがなる。
「ね、お昼どこで食べようか」
うーん、今日は天気も良いから外へでも行こうかな
いいね、と友人がうなづいたと同時にスマホが鳴る。
ピッ
「ちょっとお〜、どこで何してんの?お・ひ・る、本鈴聞こえなかった?」
「あ、ごごめん、、…」
はあっと聞こえるため息。わざとらしい…
「あと5分、屋上で待ってるから」
ブツっと機械音が耳をつんざく
またか…と友人もやれやれと私のお弁当を渡し、行きなと言う。
ガチャッ
「おそ…、まさかお昼の約束忘れてたの?」
「約束してないよ…、、、シュウ…」
一個下のカレシ、シュウはいつもわがままで私を振り回す。根はやさしいのはわかるんだけれど…
「俺、今日お弁当持ってきてないの。俺にそのおべんと、ちょーだい???」
「え?これあたしの分なんだけど」
「いいじゃん、いっぱいお菓子とか持ってきてるんでしょ?俺にちょーだい」
ふふん、残念でした。
私は学習した。こんな唐突なワガママ言われてもいいように今日はお弁当を2個持ってきたのだ。
「なにそれ、、、ムカつく」
早く寄越しなよ、とシュウがムスッとする。
「いただきます。…んむ、まあ別に卵焼きは美味いんじゃない?ん!??すっぱー!すっぱぁい…」
どうやらプチトマトが酸っぱかったみたい…
っ!ほんとだ〜すっぱい…
「あーもう、料理も出来ないの?学習機能ないの?頭にUSBメモリでも差し込んだ方がいいんじゃない?」
と、ここぞとばかりに罵詈雑言を浴びせてくる。
「つ、作ってあげたんだから我慢してよ…」
野菜炒めもしょっぱい…とブツブツ…
す、好きで間違った訳じゃ…って、もうお弁当ない。
「ご馳走様でした。ま、悪くないんじゃない?先輩にしてはよく出来てるし…」
んー、とシュウが唇の端についてる卵焼きを拭って悪戯に笑う。
「でも先輩、夜も悪くないんじゃ…って!」
は!?な、、な、な、な何言ってんの!!!
言葉より手が先に出ていた
「いっ…た…あーもう、お腹いっぱいだし叩かれたし寝る!膝枕して…」
いやもう勝手に寝てるじゃん…。
固いな…と小言をいうシュウに我慢してよね。とチョップする。
すると、はいはいとすぐに目を閉じて閉まった。
ずっと眺めているとうずうずしてくる。綺麗な顔。長いまつ毛、透明感のある肌…サラサラな髪…。
今ならもう寝てるよね…と、シュウの頭に手を伸ばす。
瞬間、前髪から切れ長の目が鋭い光を放つ。
手首をシュウの大きくて華奢な手に掴まれる
「先輩、食後のデザート食べたい」
「ダメ、我慢してよ…っ」
世界が反転した
光が自分の真上に来て、シュウを後ろから照らしてる
「せんぱい」
さっきまでとはまた違う、意志の強さが現れる言葉。でも何処か、柔らかさを感じる
シュウの目が細くなる。獲物を狙うケモノみたい
「我慢はご褒美がないと、長くは続かないんだよ?」
瞼の上にキスがひとつ落とされる。
顔が熱いのはきっと、太陽のせいだけじゃない。
クスッとシュウが笑う。後ろから予鈴が聞こえると
お弁当ごちそうさま、とシュウが立ち上がる。
「先輩、どっちがガマン出来るか勝負しよう?
俺が先輩を求めるのが先か
先輩が俺欲しさに講義サボっちゃうか」
ああ、全く。仕方がない年下カレシだ。
そんな子にハマってる私はもっと…
------
メッセが一通届いた。
手短に書かれたメッセには
『講義のプリントとっといて』
端的に述べられていた。全く仕方ないな…
-------
高い空に、メッセの受信音が響く。
音消しとけって言ってるのに…
でもごめんね先輩、今はこっちに集中してもらうよ
だって俺、ワガママな年下カレシだから
学校 カレシ @meshi_4
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