高2の夏 with わか


未成年の僕らはビールを売れずに

ジュースを売り子として売っていたんだけど


初めのころ


僕とわかは本当にジュースが売れなくて

ジュースを売上げ競争のワースト争いをしていた。


何回か出勤してジュースを売る感覚を掴み

僕はたまに中位くらいまでいくのだけど


わか相変わらずワースト争いをしていた


なんならワーストキング常習犯でそっちの道を極めていた


さすがにここまで売れないのはおかしいって思って


ある日、わかの売っている様子を観察したことがあるんだけど


通常は


ジュースを持ってドームの階段を

上り下りするのが辛くなって一息つきたい時


下の席と上の席の間にある踊り場のようなとこで


売り子たちは一息つくんだけど


わかは階段で休憩をしていたんだよね


「階段で小休憩はほかの人が通るとき邪魔になるからしないでね」


上の人にそうやって教えられてたんだけどわかが小休憩してて


こいつやってる...


とおもって注意しようとしたんだけど


小休憩してた場所は人通りの少ない場所で


こいつの頭キレてる...


なんて感心したのも束の間


何度も何度も、尋常じゃない回数、上を見上げてたから


どうしたのだろうとわかの頭上を見ると


席の上で作られた四角い特設ブースがあって


そこで


ミニスカートを履いてる野球ガールが踊っていた


わかは


野球ガールの揺れるミニスカートの真下で

何度も何度も、尋常じゃない回数、上を見上げて小休憩していた


もう一度いう


何度も何度も、尋常じゃない回数、上を見上げて

スカートの下を見て小休憩していた


わかが上を見上げてる中、僕はわかを見下した


あぁ...

こいつは売れないわ...

ってかクソだ...


もし僕がそんなにスカートの下みたかったら

野球ガールにパンツ見せてってお願いするね


わかみたいに陰湿な真似はしないねって思った高2の夏


懐かしい記憶が巡る


この記憶からわかるように

わかは本能に重々忠実なのだ


仕事中でも自分の欲求を満たす


働きたくないと思ったら手を止め

やりたいことは進んで行う


パンツが大好きな野郎なのだ


それが見せパンだって関係ない...


今回は畑でクリスマスツリーを抜く仕事だから

パンツ見て休憩なんてできないから


大丈夫だとは思っているけど


働かないことに抜け目のない男だ。


働きたくなさすぎて海外でホームレスをするとか

こっちの予想を遥かに上回る動きをする奴だ。


海外で1年過ごして、高校の時と比べてどう変わったか...


時は少し進み


クリスマスツリーバイト初出勤の朝を迎える。






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How are you 知らんけど海外で暮らしてみる みなみ @flum

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