レッテル貼り

@HasumiChouji

レッテル貼り

「大体、私は他人にレッテルを貼るヤツが嫌いでしてねぇ……。ほら、最近、よく居るでしょ。ネット上で、気に入らない意見に『感情的だ』ってレッテルを貼れば論破出来た、って思ってる馬鹿が」

「ええ、確かに、今回の件の切っ掛けになったSNS上の論争を見ましたが、貴方の意見を『感情的だ』って決め付けたヤツの方が、言ってる事が支離滅裂でしたね」

「でもね、あいつが如何に私から見れば馬鹿だとしても、事情を知らない第三者が、私があいつに『こいつは馬鹿だ』ってレッテルを貼ってるように見える言動をするのは、やっぱり私の信条に反するんですよ」

「あぁ、なるほど。そこまでは同意出来ますよ……。でもね……」

「『でも』何でしょうか?」

「相手の自宅を突き止めた上で、相手を拉致して、顔に『私は底抜けの馬鹿です』ってタトゥーを彫ったら、そりゃ……」

「あいつは私にレッテル貼りをしましたが、私は、あいつに対してレッテル貼りなんてしてませんよ」

「わかりました。容疑は否認されないんですね。じゃあ、その方針で弁護をします。で、次回の面会ですが……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

レッテル貼り @HasumiChouji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ