せっかくできた友達の命は、残り3年
- ★★★ Excellent!!!
喫茶店幻想堂の息子、時羽金成は、友達がほしいと願っている自己評価の低い、ネガティブ男子高校生。バリアをはって、周りと距離を作ってしまっています。
そんな彼の家、幻想堂には、ある秘密が。実はそこは、寿命と引き換えに不思議な力を与えてくれる奇妙なお店だったのです。
ぼっちな高校生活を送ると時羽くんの前に現れたのは、かつて幻想堂で寿命を渡したことのある女子生徒、雪月風花。
なつかれて、仲良くなって、友達と呼べる関係になるも、寿命を渡している彼女の命は、後3年。
期限付きの友達と送る、少し不思議なファンタジー青春ストーリーです。
自己評価の低い時羽くんが実は女子に人気があったり、一見明るい雪月さんが、本当は重たい過去を背負っていたりと、読めば読むほどキャラクターに深みが増してくる本作。
読んでいて一番気になったポイントはやはり、雪月さんの余命の短さです。せっかく仲良くなったのに、後3年の命だなんて悲しいです。
『命短し恋せよ乙女』なんて言いますけど、少しずつ変化していく時羽くんと雪月さんの関係にも、ドキドキさせられました。
恋、友情、命の重みのつまった、アオハル物語を、是非読んでみてください。