第2話
朝、珈琲の匂いで目が覚める。
「おはよう、珈琲入ってる。」
いつもの朝、昨日、焼いたバケットの残りと珈琲。日によって、1・2品プラスされた朝ごはん。
顔を洗って、着替えて席に座る。
あなたは、先に座って食べ始めている。
「いただきます。」
私も、食べ始める。
「美味しい。」
「有難う。」
いつものやり取り。幸せすぎる、いつもの朝。
Pipipipi
Pipipipi
やめて
Pipipipi
Pipipipi
起きたくない。
私はまだ此処に居たい。
目覚ましを止める。
隣にあなたがいない事に慣れない。きっと、これからも。
顔を洗って、服を着替えて、部屋整えて出る。
悪夢の始まりだ。
あなたがいなくなってから。
もうすぐ月命日、早く会いたい。
「死なないで。」
あなたの約束は守ってる。
だから、ねぇ、褒めて。
死にたくなる前に。
短編集 るい @yama2644
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