まず第一に、この作品は昨今の短くサクッと読める物とはジャンルが違います。
現代ファンタジー、とりわけ2000年前後から隆盛を極めていく伝奇物というジャンルでも、丁寧に丁寧に熱を込めて文章を編み上げて作られている作品です。
魔法少女くおんの詳細な見た目の描写や、語り部であり当事者でもある昂一郎の心理描写など、作中語られる通り、見たものを可能な限り鮮明に描き残そうとしているが故の文章が連なっています。
そしてこの作品を語るうえでぜひ感じて欲しいのが、熱量です。
この作品にはいっぱいいっぱいの好きで満ちています。
好きはそのまま拘りです。拘って、拘って書かれてあります。
各話のタイトルを見ていただければご理解できると思います。
だから、一話が一万文字を越えることもあるんです。
夕暮れの出会い、夜の再会、異形の魔物、望まぬ戦い。覚悟の戦い。
異端、異能、葛藤、迷い、それでもと残り続ける人間らしさ。
人知れず命を賭して戦うモノトーンの魔法少女。
これは、あの日あの頃、いつか誰かの戦いを見届けたあなたにこそ届いて欲しい作品です。
このお話には、その時に感じた好きが、いっぱい詰まっていますので!
おすすめです!