2.エデンオンラインへようこそ!
「エデンオンラインへようこそ!」
ポップなデザインの妖精さんがカラフルな煙と共に現れた。
この子がプレイヤーにシステムを説明してくれる親切なキャラクターらしい。
「ここでは新規ユーザー様がオンラインワールドへ行くための準備をしてもらいます!」
次に見えたのは【キャラクリエイト】という文字。
?。 なんですかこれ。
それぞれの単語から察するに、キャラとはキャラクターのことですね。
クリエイトは、そのまま、作る、ということでしょうか?
え、キャラクターを作る? どういうことです?
【クリエイティブモード】と【リアルモード】の二種類があるようですが、リアルモードなら現実世界の私をそのままキャラクターに反映するから手間が無いみたいです。
「と、とりあえず【リアルモード】でお願いします」
「はい、リアルモードでは現実世界のあなたな容姿がゲーム内で反映されます」
【エデンオンラインへ行く】
迷わずにパネルをタッチした。
次に広がったのは、今時の大気汚染の広がったものとは違う空気の澄んだ青空。
肌をさすチクチクする草むらの感覚で、私は横になってることに気づいて起き上がった。
起き上がって見えた景色は、どこまでも続く、地平線まで続いている大草原でした。
つい先程の文明的なお屋敷とは全く違う、自然そのものです。
「風も本物みたい、すごい」
暖かい陽気や風の涼しさまで感じられるリアルな作り込み。
正直に言ってすごいです。
「えっと、まずはステータスオープン!」
そう宣言すると、空中にモニターが広がる。
メールボックスを見ると新しいメッセージが届いている。
『新規ユーザーの方へ、運営からのギフトがあります!』
添付されていたのは、初期装備らしき武器と防具を一式、それにゲーム内通貨を少し。
これが〝スターターセット〟というものだろうか。
初期装備のロングソードを手に取ると、ずっしりと重い鉄の重量を感じる。刃は金属の冷たさまで再現されてる。
ちょっとリアリティ高すぎない、大丈夫?
現実に支障をきたさないか心配になってくる。
お嬢様とかは大丈夫そうだけどさ。
急に空が暗くなったかと思いきや、背後からなにかの息遣いを感じる。暗くなったんじゃなくて、影になったんだね。
「あ、どうも、ハジメマシテ……」
後ろにいたのは三メートルはあるだろう大蛇だ。
ヤマタノオロチ……ではないですね。普通に大きいだけの蛇です。
現実のアナコンダなら十メートルはいくので、それに比べればまだまだリアルな敵です。
でもちょっとリアルすぎて怖い。
これ大丈夫なんですか? 死んでも強制ログアウトとかリスポーンとかできるんですよね?
シャーー!!!
蛇が襲ってくる。
「ひっ!」
とっさに突きだした剣に大蛇がそのまま突き刺さる。
衝撃を感じたけど、血とかは出なかった。
抜いた剣にも血は付着してないし、ゴア表現はないゲームなんでしょうね。説明書は全年齢対象って言ってましたし。
あ、蛇が光になって消えた。
『経験値60取得。 レベルが2にUPしました。レベルが3にUPしました』
倒したことになってしまった。
あ、こんなんでいいんですね。
デジタル時計を見れば、もう深夜を回りそうになっていました。
今日は始めてだし、今夜はログアウトして寝ましょう。
エデンオンライン @wanabi
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