【短編】童貞の力を利用する研究所

@anko37564

【短編】童貞の力を利用する研究所の話



この世のどこかにあるという

童貞だけを集めた研究施設

そこにいるのは、ブスだが

そこそこがんばり屋のタイプの健気な童貞たち

施設は、そんな乗せやすい童貞の力を利用し、世界を支配しようとしているらしい

まずは彼らの1日を見てみよう

「みんなー!おはよぉー!今日もぉ、頑張ってお金稼いできてね!」

「一番頑張った人にはぁ…///」

施設長のげぼたんが、彼らを扇動し、総括している

「うおおおおおおお!!」

童貞たちが、おぞましい雄叫びをあげる!

「行くぞ!おめーら!」

「「おう!」」

施設にいる童貞たちは、みな げぼたんに惚れているものたちばかりだ

彼女の喜ぶことをすれば、付き合えると本気で思っている

哀れである

そして、1日が終わり

へとへとになった童貞たちは、帰ってくる

日雇いや、パチンコなどくだらない方法でかき集めてきた収益をそれぞれ回収され

収益が高かった童貞には、少しばかりの握手

そしてねぎらいの言葉がかけられる

健気な童貞は、明日も勘違いして頑張ってくれるのだ

この調子で金を集め、ゆくゆくは世界を…

しかし、その夜は何かが違った

「ん…?」

1日に童貞1人当たりが集めてくる金は、多くて一万程度だった

しかし、その童貞は1日に50万も稼いできたのである

「あ…あんた 一体どんな方法を…!!」

にやぁ…

そこには、凄まじい負の童貞オーラを放ち、気色の悪い笑顔を浮かべる男がいた

げぼたんは、とっさに専用の眼鏡型童貞力測定装置で

男の童貞力を測る…

※童貞力とは

バカ度、乗せやすい度、惚れやすい度

勘違い度、など、童貞的要素を総合的に判断し導き出された数値

「童貞力…測定不能…!?」

急遽別室送りにされ、精密検査が行われたが

包○であるということ

名前はつよし

年齢は38

超ガリガリだということしかわからなかった

「貴様…どうやって50万も稼いだんだ!

…まさか、悪事を…」

「まあまあw好きな人の為には男は頑張れるものですよww」

気持ち悪ぃぃ…

しかし、こいつは使えるかもしれん…

まずは、手始めに…

「ふん、50万程度じゃ、まだ認めないわよ

明日、1000万稼いできたら、キスくらいさせてやってもいいわ」

挑発だ 童貞の力を飛躍的に倍加させる上等テク

見せてみろ…貴様の力を

奴は、次の日、本当に1000万稼いできた

キスの件は適当にごまかしておいた

「マジかよ…」

その後も、挑発を続けた

次の日も、また次の日も

ロケットの制作…象の捕獲…スーパーロボットにタイムマシン…

信じられないことだが、全て成し遂げてきた

そして…

「最後のお願いだ

わたしを、世界の王にならせろ!」

つよしは、あらゆる人間の意思を支配する装置を完成させ、

ついにわたしたちは、世界を支配する王になったのだ…

げぼたんは、ある日つよしに聞いてみた

「お前、そんな力があるのに、なんで童貞なんかやってんだよ?」

「ぼくは、一途かつ、純愛思考ですから」

ああ、だから童貞なんだな


終わり

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