暴れん坊ロード

Ryuu65

第一話  君主一行現る!

「さあ、今日も世直しにいくぞい!」

そう言って彼…?奴…?

そう言って老人は重い腰を上げる。御年72歳。

「「分かりました!」」

老人のいつもの言葉に二人のお供という名の介護が返事をする。 

この老人はこの国の元君主。ある事情をきっかけに君主を辞めさせられ、すぐに認知症になった。やることがなくなってしまい妻もいない老人は、いきなり暇つぶしなのか何なのか分からないが世直しにいくぞと言い、旅にでる。

これでも一応元君主なので二人のお供(介護)を連れて・・・。

ちなみに介護の二人はこの国で五、六番目くらいの優しさと我慢強さをもつので、現君主により元君主のお供兼介護を任された。

 テントを畳み、その君主一行は今の場所から一番近い村へと足を運ぶ。


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「ふう、一番近い村だというのに二、三キロもあるなんて何という生意気じゃ!」

 村につて早々老人は疲れたと言い宿屋に一泊夕食代の値段を払い寝る。

…お前、何しに来たんだ。

 お供の二人はかわりばんこに老人につき、もう片方はこの村の観光を。

老人はそんな事はお構いなしに死んだように眠る。

……おい、コイツ本当に死んでんじゃないだろうな…。

 老人が死んで…死んだように眠ってから三時間後、時刻は夕方近くを回ったころ。 村の中央に人が集まり、騒がしくなった。

「うるさいのぉゆっくり眠ることも許されんのかこの村は」

 騒音成敗と言いながら、老人も村の中央に行き事情を聞く事に。するとお供の二人が大きく息を吸い…。

「悩み相談この元へ世直しのため領地を渡る!」

「この方こそがこの国の元君主。〈ベクター・ホリー・デイ〉様だ!」といきなり大きな声で名乗り上げる。

すると村人の一人が…。

「べ、ベクターホリーってこの国の元君主様じゃねえか!!」

村人たちが老人を元君主と知るや否や。

「元君主様!どうか我々をお助け下さい!」と老人に助けを求める。

「世直しの為じゃ、おぬしらの悩み、聞いてしんぜよう」

そう言うと村人達は事情を説明し始めた。

「そこにいるこの領主!金を持って来れば食料をやるというから金を持ってったら、金を渡した後に、そんな事言った覚えはないとしらを切って食料を渡さなかったんですよ!」

するとその言葉に領主が反撃する。

「いいや!そんな事はたわごとだ!その村人達が嘘をついてるのだ!わしは食料をあげた!」

その言葉に今度は村人達が反撃を。

「じゃあ、そのあげた食料の名前言ってみろよ!おい!」

「そうだ!そうだ!適当に言っても分かんだぞこっちは!」

 老人の事などは忘れてケンカを始めた村人達と領主。

すると老人はいきなり…。

「ケンカ両成敗じゃあああああ!!」と領主と村人達に持っていた剣で斬りかかる。

それをギリギリでかわした領主と村人達。

「うおっ!このジジイ危ねえ!」

「おい!食料なんかでケンカしてる場合じゃねえぞ!」

 村人と領主は一致団結しこれを撃退。

それに対して老人は

「このような地は焼き払ってくれるわあああ!!!」といきり立つ。

 「まあまあ、もうご飯の時間ですよベクター様」

「そうですよ。今夜は唐揚げだそうです」と二人のお供はご飯の時間ですよと言い、いきり立つ老人をなだめて連れ帰った。

 次の日の朝早いころ、元君主一行はいそいそと村を出て行った。

本当に何しに来たんだよ…。

 共に戦った村人達と領主は打ち解け、団結する事の素晴らしさを知った彼らは、やがてその地のどこにも負けない巨大都市を築き上げる事となる───


               〈了〉

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