第4話 後日談
『今日早朝通報があり○○県に身元不明の遺体が2箇所で放棄されていたのを発見し警察が周辺調査しております。警察からは詳しく答えられないが皆さんに注意を呼びかけております。詳しい情報は追って報道…』
テレビのニュースが流れる。
「世の中物騒ねぇ。貴方も気をつけなさいよ」
「うん、わかってるよ。もう、待ち合わせの時間だから行くね」
「今日は早く帰ってきなさいよs!」
「うん、わかったよ母さん」
sが母親に行ってきますの挨拶を終え歩き出す。いつも通りの道を進んでいく公園を通り過ぎ五つ目の分かれ道を右に曲がればそこに…
sの目に映ったのは三つのパトカーとたくさんの野次馬何枚ものブルーシートがその建物を隠すように覆っている。sは朝のニュースを思い出し顔が真っ青になりながらも野次馬の中に割り込んでいく。警官の目の前に立ち口を開く。
「あ、あのこのアパートに友達が!友達がいたと思うんですけど!」
「落ち着いて落ち着いて。えっと君の友達がここのアパートに住んでたのかい?名前を教えてくれるかな」
「名前はッ!」
sの口が止まる。時間が止まったのではなく何を言えばいいか分からなくて止まっている。あれ、私の友達…誰だっけ…それより何でここに来たのだろう…あれ、思い出せない…変だな…。
「えっと?どうしたの?」
「す、すみません家違いの勘違いでした。忙しい中迷惑かけてすみません」
「大丈夫だよ。家の間違いでもここだと思ってたところにこんな野次馬と警察がいたらそれは焦っちゃうよ。今から学校だろ?気をつけて行くんだよ」
「は、はい。ほんとご迷惑かけました。すみません」
sは警官に一礼して走り去っていく。違和感と疑問を感じつつ。そしてその警官はsと反対方向に歩き始め帽子を脱ぎ捨てる。
「ふむ、願望の花【※※※※※】の虚構の模造品…まだまだ完成には程遠いな。まだ若干世界に残り香が漂っている。改良していかなくては…」
横を通る女子高生たちのスマホを覗き笑みを浮かべる。
「虚構の根は広がりづいているようだ感心感心あと、数年いや数十年で私の願いが完成する。ふふふ楽しみだ」
黒い部屋 KIKP @KakiImokennP
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます