【不問2】台本タイトル:終幕を前に【ファンタジー】
本作は、いつぞやのエチュードを元に書いた台本になります。
ネット通話・ネットライブ配信を利用した無料の読み合わせ劇に使用する台本を想定して書いております。(事前連絡不要。アーカイブ公開は一週間以内までとし、それ以上は要連絡とします。印刷される場合は印刷日も必ず印字し、印刷日から1週間以内に破棄して下さい。)
それ以外の用途でのご利用は固く禁じます。無断転載もご遠慮ください。
Japanese version only
元が偶然の産物ですので、当台本を利用し偶然発生した利益に関しては此方から何か問う事はありません。ただし、発生した不利益に対しても当方は一切責任を負いません。
口調が男性っぽくなっておりますが、全員性別不問といたします。
読み手様の自由を妨げないよう、細かいト書きや感嘆符(!)はあえて使用しておりません。
一人称、言い回し等は言いやすく変更してご利用頂いて大丈夫です。
A:勇者
B:喋る剣
上演時間:10分未満(未実測)
A「ようやくここまで来たなぁ」
B「そうだね」
A「レベルアップも十分だ」
B「うん、この扉を開けたら、いよいよ魔王だね」
A「長かったな」
B「うん。でも、今思えばあっという間だったよ」
A「そうか? まぁそうだろうな、お前は剣として
俺なんかよりもずっと長く生きているし」
B「そういうことじゃないよ」
A「え?」
B「いろいろあったけど、とっても楽しかったんだ。」
A「そうか?」
B「うん。なんだったら、僕が人間だった頃よりもね。」
A「そうなのか。 なるほど、当時は、魔王軍も今より強くて
大変だったらしいもんな」
B「だからそういうことじゃないよ」
A「え?」
B「君との冒険が、とっても楽しかったからなんだよ」
A「そうなのか? まぁ、それは何よりだな」
B「うん。そうだね。」
間
B「ねぇ、やめない?」
A「ん?なにを?」
B「この戦い。ここでやめない?」
A「は?どういうことだよ」
B「魔王との戦いが終わったら、僕は役目を終える。そしたら、
もう君と話せる機能は失われてしまうんだ。」
A「そういう話だったな。」
B「それはなんだか、とても寂しい」
A「え、それはまぁそうだけど、俺ら以外に魔王を倒せる奴なんてこの世に」
B「いないよ。それはわかってる。」
A「だったら。」
B「でも、寂しいんだよ。とっても。」
間
A「気持ちはわかるよ。でも魔王軍は、当時よりも力が衰えているとはいえ、
まだまだ人間にとって脅威の存在なんだ。放ってはおけないだろ。」
B「わかってる。だから、交渉をしよう」
A「交渉」
B「うん。魔王が元々攻めてきたのはなぜかわかる?」
A「えーっと。確か、自国の食料源の枯渇」
B「そう、歴史の授業で習ったよね」
A「うん。今から100年ぐらい前の話だって。」
B「それから人間と魔王軍は何度も争いを繰り返し、
今では魔王軍も、自分たちが生活できる土地を得た。」
A「そうだ。俺たちは世界の半分を奪われ、一部の人は奴隷として
虐げられた生活を送っている。」
B「そこだよ。」
A「え?」
B「いったん整理しよう。今の人間側の主張はなに?」
A「土地の奪回と、奴隷の開放」
B「じゃあ、今の魔王軍の主張は?」
A「それは そういえば、今の魔王軍の目的ってなんだ」
B「そう。今の魔王軍は、防衛線しかしていない。だから戦力も
段々と弱ってきているんだ」
A「だからなんなんだよ」
B「僕たちで、落とし所を見つけられないかな?」
A「落とし所?」
B「そう。幸いにも人間側は、今の所土地を奪われていても
食料源の不足は起きていない」
A「まぁ、そうだな。貧しくはなったけど。」
B「だから、土地の奪回よりも、まず優先すべきなのは、
奴隷になっている人たちの開放だよ」
A「確かに。」
B「次に、奴隷を開放した上で、もし土地を奪回したら、人間はどうなる?」
A「当時の豊かさを取り戻せる。」
B「そうだね。じゃあもし、土地を取り返さずとも豊かさを
取り戻す方法があるとしたら、どうする?」
A「え、そんなことできるのか?」
B「人間が主に食べているのは、なに?」
A「麦と米等の穀類。野菜。あとは鳥や豚の肉だな」
B「じゃあ、魔王軍が食べているものは?」
A「詳しい事はわからないけど、向こうも
違う品種の似たような物を育てて食べていると聞く」
B「それを取引できるようにするんだ。」
A「とり、ひき?」
B「ああ。労働力も含めてね。」
A「魔王軍と人間で?」
B「その通りだ」
A「そんなの無理だ。人間がどれだけ怒ってると思ってる。
第一、言語が違うし、通貨も違う。」
B「怒りは時間をかけて説得すれば良いし、言語や通貨も
取引用に用意すれば良い」
A「どうやって。」
B「それを今から考える。まずは僕たちで。それから、
知識のある冷静な人たちに相談する。」
A「でも、そんな悠長なことを言っている暇は。」
B「ないよ。だから、できるだけ迅速に。でも、冷静に考えるんだ。
僕たちは、考える事ができる生き物なんだから。魔王軍もね。」
A「そんなこと、俺たちにできるのか?」
B「自信なんて僕にもないよ。でも、君はそんなに僕とお別れしたいのかい?」
A「 ズルいよ、その言い方は。」
間
B「さ、僕たちが今いるべき場所はここじゃない。そうだね?」
A「 うん。」
B「よし。まずは、僕たちだけで、作戦会議だ。常識をひっくり返そう。
僕たちと、そして新たな世界の平和の為に」
エチュード書き起こし きよなが @kiyonagaga
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